名古屋戦で露呈した浦安の新たな課題

これまでの課題はカウンター対策

開幕当初首位を走っていた浦安だが、9節から3連敗を喫し、11節終了時点で5位まで順位を落とした。 攻撃的な3選手に守備的な選手を1人という組み合わせは選手構成の偏りによる苦肉の策ではあるものの、だからこそ全員で献身的に動く守備は機能しており、どちらかといえば攻撃の方が重い課題が浮き彫りになっていた。

浦安が10節までに敗れたチームは、北海道、府中、湘南、大分の4チーム。そのうち、北海道には1分1敗している。 大分と北海道に共通しているのが、両チームとも浦安戦では引いて守りカウンターから得点している点で、それを実現しているのは、高いシュート成功率である。

リーグ平均のシュート成功率は11.9%。それに対し大分は15.6%とリーグ1位で浦安戦においては17.3%と非常に高い。北海道も水上玄太が28.1%とリーグトップで、9節で得点した笠間慎也も14.2%とリーグ平均以上である。10節で浦安に勝利した試合で2得点した鈴木祐太郎はシュート3本で2点決めている。 さらに、湘南や府中もチーム全体のシュート成功率はそれぞれ15.5%、13.8%と高いのに対し、浦安が勝利している花巻、町田、大阪、神戸のそれはリーグ平均以下である。 つまり、リスクが高い守備をしている浦安にとって負けパターンの多くは、圧倒的に攻め続けられるのではなく、引いて守るチームと対戦する時のような浦安が押し気味ながらも少ないピンチが失点に結びつくケースである

新たに出た懸念材料

これまでは引いて守る相手のカウンターを主に警戒すればよかったのだが、11節の名古屋戦ではこれまで機能してきた守備も、改善してきた名古屋に打ち砕かれた。

この試合で名古屋が改善してきたポイントは2つあった。

1つ目はピボを2枚用意してきたこと。浦安はフィクソを1人しか置かないため、ピボが2枚入ったときの対応があいまいになっている。Fリーグ全10チーム中、決定力があり大型なピボを2枚同時に起用できる選手層が厚いのは名古屋と小野大輔や小山剛史、山田ラファエルユウゴらを擁する府中くらいなため、これまでこの欠点は顕著に現れなかった。

しかし、この試合では森岡薫とラファエル・サカイの2枚がピボに入れ替わりでプレーしてきた。浦安はフィクソが森岡をマークする予定だったが、森岡が下がり、サカイが上がってきた時の対応を徹底できず、森岡についていった瞬間に裏へ抜けた木暮賢一郎にチャンスを作られ、最後は森岡に先制点を許してしまった。

新名古屋に困惑

名古屋のもう1つの改善はクアトロを実施したことだ。今シーズン開幕前から練習では取り入れていたが、これまではピボを起用していたため、試合中にワンポイントで実施した事はあっても、クアトロセットをあえて作ってはこなかった。だが、渡邊知晃が練習中の怪我で欠場のためこの試合では、キープ力と突破力を兼ね備えた逸見ラファエル勝利、マルキーニョ、畠山ブルノタカシの3人に加え、クアトロをさせたら世界一のペドロ・コスタの4人がセットを組んだ。

キープ力がある上に突破も出来る選手が3人もいるため、ふつうに寄せても奪えないどころか、突破されてしまうリスクもある。さらに、パスコースに入ったり、スペースを作るためのフリーランをしてボールの流動性を高めるペドロ・コスタが浦安の守備をさらに乱す。浦安は元々1対1でボールを奪う守備方法ではないものの、「前回敗れた時よりも(浦安の)寄せが甘かった」と名古屋の選手たちは感じていた。

対策には主力の復帰とクアトロ対策

名古屋戦で露呈した守備の弱点のうち、前者については守備に定評がある負傷欠場中の平塚雅史が復帰し、小宮山友祐と新加入の深津孝祐の3枚で回せれば対応可能だろう。

後者に関しては、クアトロ自体はチームでもやっているが、浦安のクアトロは足元へのパスが多いため、スペースを上手く使うクアトロに対しては全員が違った意識を持って集中力を切らさず対応しなければならない。

これまで浦安が敗れた府中、大分だけでなく神戸あたりがこの戦術が可能なだけに、今後の12、13、14節の3連戦が今シーズンの最大の山場となるだろう。