駒不足同士のやりくり、成長の証

駒不足同士のやりくり

フィクソが不足する両チーム。神戸は山本が怪我で欠場、鈴村も手術から7ヵ月半ぶりの復帰戦で、一方の浦安も戦力としては小宮山と平塚しかいない。そのため、神戸は西谷と畠山が兼任し、浦安は短い時間で2者を回す策をとった。

そのフィクソの攻略方法が両者の明暗を分けた。千綿、岡崎、原田の3枚のピボを中心に攻めた神戸に対し浦安は、開始早々に岩本のゴールでリードできたからでもあるが、「本当ならば攻めたいが相手はピボが3枚でうちのフィクソが2枚しかいない事を考えると、攻撃に関しては省エネでやるしかなかった」と小宮山が語るように、スタミナ面でのリスクを避け、手堅く戦い続けた。

神戸は後半早々に千綿のゴールで1-1の同点に追いつき追い上げムードとなったが、神戸はピボに集めた後のパターンが乏しく、浦安のフィクソを揺さ振り疲労させる事はできず、逆に浦安のプレスを回避できずに数的不利のカウンターを食らう場面が増え、押し込まれるようになった。

浦安は残り5分に相手のオウンゴールで2-1と再びリードすると、岩本、小倉、中島、鳥丸をピッチに送り、小宮山と平塚を休ませる。小宮山は2分半、平塚も2分弱の休憩だったが、最後の4分間は神戸のパワープレーを凌ぎ、終了間際に得た第2PKを稲葉がゴール右上に落ち着いて決めて、神戸に引導を渡した。

西谷、畠山といった鈴村以外のフィクソを固定できずバランスを崩した神戸に対して、浦安は終盤を除き2枚のフィクソのどちらかを常時出場させてバランスを保つことで、失点のリスクを減らした。

その判断が勝負の分かれ目となった。

成長の証

前半の試合内容だけ大阪の圧勝、後半の試合の流れなら大分の逆転勝利という展開だった。それでも引き分けという結果に終わったのは、劣勢に立たされても崩れない大阪の成長でもあり、2度追いついた大分のしぶとさでもあろうか。

前半は大阪が幸先良く先制すると、その後も動きの鈍い大分を追い詰め、苦しい状態から仕掛ける大分の得意の1対1もことごとく止め、試合の主導権を握った。

ところが、後半になると流れは一変する。その原因は審判の判定だった。前半は大分が5ファールを犯したが、後半は大阪が11分以上を残して5ファールを重ねてしまう。しかも大阪にとって不可解なファールが多かったのだろう。監督は興奮し、選手は判定に戸惑い劣勢に回る。その後も大阪は2つファールを犯し、大分に逆転されるピンチを招くが、そこは守護神イゴールが防ぎ、逆に少ないチャンスの中で得たCKから江口が決めて再びリードする。オーシャンアリーナカップでも準々決勝の神戸戦で1度は追いつかれながらも再び突き放したり、準決勝の大分戦で少ないチャンスをゴールにつなげてきた結果がフロックではなく、今年の大阪の成長と言えるだろう。

だが、調子を上げてきた大分も粘り強く攻撃を続け、仁部屋の突破から最後はチーニョがゴール正面でDFと交錯しながら押し込んで、再び追いつき同点で終えた。終盤の追い上げはこれまでの大分にもあったが、調子が悪くても1失点で前半を終えられたのは定永、チーニョの加入効果であり、攻撃でも1度目の同点弾は、同じく新加入の中村のドリブル突破からのアシストだったことからも、新加入選手がチームの成長に大きく寄与しているのは間違いない。