課題は攻撃の意思統一

本領発揮のチェコに苦戦する日本

第1戦を完勝に近い内容で勝利した日本代表だったが、この日は調子を取り戻したチェコに苦戦する。 遠征の疲労が抜けたチェコは開始早々、前線からの厳しいプレスをかける。第1戦と同じく高橋健介、星翔太、上澤貴憲、小宮山友祐で臨んだ日本はプレスを何とか回避するもチェコゴールを脅かすまでには至らず、守備でも前線からプレスをかけようとするもボールを奪えない。

チェコのプレスが中盤からに下がると、日本もボールポゼッションは上がり、パスもまわるようになるが、チェコ守備陣の周りを回す時間が長く、前線のピボへ楔を打っても後方からの押し上げや追い抜きといった動きがほとんど無いため、ピボもパスを戻すだけでシュートチャンスを作れない。

「ボールを回しているだけで危険な時間帯だった」と初戦でも先制した後に同じような展開が続いた事を、初戦の後に上澤が懸念していたが、この試合ではその反省が生かされなかった。膠着したまま試合が進み、両チーム無得点で前半を終えるかと思われた前半18分、チェコは日本陣内左からのキックインで、Hダビド・フリッキが中央へシュート性のパスを送るとファーサイドの滝田学に当たる。このこぼれ球をゴール前につめていたMペトル・プレイエルが押し込み先制する。

決定力不足が露呈

後半、日本はこれまで一緒に使われてきた高橋と星のセットを解体して高橋の代わりに仁部屋和弘を、また負傷した上澤に代わり逸見勝利ラファエルをそれぞれスタメンに起用して、前半の悪いリズムを切り替えようとする。

その狙いがはまり、後半のシュート数はチェコの5本に対し、日本は19本と主導権を終始握る。だが、数多くのチャンスもチェコGKのファインセーブもあって、日本は追いつけない。前がかりになる日本に対して、残り5分頃からチェコはカウンターで追加点を狙う。そして、37分に一瞬の隙をついてゴール左へ抜け出たGミハル・セイドレルが中に折り返す。GK冨金原が反応するもこぼれ球をQミハル・ベレイがフリーで押し込み2点差をつける。

その後、日本は小曽戸允哉をGKにしてパワープレーで反撃に出る。高橋、仁部屋が後方で敵を揺さぶり、敵陣中央に星が入り、コーナー付近には右に小曽戸、左に原田浩平が入る2-1-2の形で始まり、星と原田、小曽戸が入れ替わったり、星がサイドに流れたりするも、「バリエーションが少ないかった」(仁部屋)と相手を崩すような展開ができず、結局、高橋から強引なシュートパスをファーサイドにつめていた原田が合わせて1点返すのがやっと。逆にチェコにパワープレーで時間を稼がれてしまい、終了間際に仁部屋が中央からミドルシュートを狙うもGKにセーブされ、1-2でチェコに敗れた。

攻撃の意思統一が必要

初戦はルーズボールやカウンターなどのチャンスを決めて勝利した日本だが、この日はそのチャンスを決め切れなかったのが敗因だった。

とはいえ、そのチャンスだけを狙っていてはミスが少ない強豪にはなかなか勝てない。ミスをきっかけに得点するにしても、やはり相手を脅かす攻撃が必要だ。日本は前線に1枚置き、後方の3人で展開しながらチャンスを狙って前線に楔を打ち、それに合わせてほかの選手が後方から押し上げてシュートや次の展開につなげていく。

今回の2戦では高橋、星のコンビがピッチに立った時は、どちらかが起点になれるため前線が1人といえども、2人のどちらかが入れ替わって前線に入るので、相手からすると絞り込みづらく、また、お互いに前線でのサポートに入るのが速いため、相手を押し下げることができる。だが、このセット以外では後方でのパス回しはこなすも、前線にパスを送った後の展開がどうしても遅くなってしまう。

ミゲルが推し進める後方3人と前線1人のシステムは、高橋、星、渡邉、原田という前線にある程度目処がついたので、方向性としては間違っていない。あとは前線へのパス出しと前線のサポートを後方の3人がどう有機的に行えるかにかかってくる。攻撃的な仁部屋や小曽戸、松宮、そして攻守の中心となる上澤や逸見らの判断力と運動量、そして連携の精度が向上が求められる。