新戦力にかかる期待と負担

計画的な補強も日本人の獲得に課題

新シーズンに向けて各クラブが入退団選手を発表しはじめている。昨シーズンも圧倒的な強さで4連覇を達成した名古屋は、毎年外国人選手を1〜2名を放出し、シジネイやサカイ、そしてリカルジーニョと退団した選手以上の選手を補強してきた。

その一方、日本人選手に関しては大量補強を敢行した後、小山剛史(現府中)や沼田慎也(VAXA高槻)ら余剰人員を削減してスリム化を図ってきたが、昨シーズンの上澤貴憲(現府中)のように主力の退団もあり、日本人選手の補強が課題となっていた。

予想を超えるの出入りの激しさ

そして、今シーズンオフはルイスネゴンや出場機会に恵まれなかった平林輝良寛(現ツエーゲン金沢)や丸山哲平、定永久男に加え、主力だった完山徹一が退団した。しかし、今年は花巻から日本代表の渡邉知晃とFUGAから星龍太をそれぞれ獲得した。

新シーズンの主力やこれまでの戦い方から、以下のような振り分けが予想される。
・森岡、木暮、逸見、北原
・マルキーニョ、ブルノ、サカイ、?
控え:前田、前鈍内、森

新加入の即戦力化が鍵

ここでポイントになるのは渡邊と星がどれだけ早くチームにフィットできるかだ。特に星がフィクソのポジションを任されるまでにならなければ、サカイが本職であるフィクソになる。しかし、サカイがフィクソに下がることで、アラのポジションが空く。ピボとアラができるマルキーニョをアラに下げる事で対応可能だが、それには渡邊がフィットしていなければならない。

渡邊は代表で経験はしているが、花巻時代のスタイルはパスの受け方が一辺倒だったため、それを改善できなければ名古屋で戦うのは難しいだろう。

さらに、リカルジーニョが噂されているバルセロナへのレンタル移籍が実現すると、この問題が現実となる。そして、これまで名古屋でプレーした日本人選手のうち、初期メンバーだった森岡と北原を除き、1年目から即戦力として前評判どおりの活躍を見せた選手は、プレーが確立されていた完山と上澤くらいだろう。

渡邊と星のどちらかがチームにフィットすればこの問題は解決されるが、はたしてどうなるか。