改めて考える名古屋の強さ

憎らしいほど強い

名古屋がリーグ4連覇を達成した。残り5節での優勝はこれまでで最短である。この結果と1順目の8勝1分、得失点差+40という成績だけみれば楽勝と思われるが、2順目以降は、13試合で10勝2敗1分、得失点差も+30、2点差以内の勝利も4試合と決して楽な展開ではなかった。2順目以降の10勝のうち4勝が逆転で、引き分けた浦安戦も2点リードされてから追いつくなど苦しい試合もあったが、それらを乗り越える粘り強さが今シーズンの名古屋にはあった。

継続による攻撃力の向上

名古屋がここまで強くなった要因として、攻撃力の強化が挙げられる。過去4シーズンの1試合平均得点数を比較すると、過去3シーズンは4点台だったが、今シーズンは5.3点と向上している。どのチームも守備力が強化しているにも関わらず攻撃力が向上しているのは、アジウ監督が就任した2008シーズンから、前線にボールキープができる外国人選手へ目掛けた縦への速い展開を軸にした戦術を一貫して変えておらず、これが成熟してきた結果だ。 これまで、外国人選手を上限の4名登録してきたが、4名ともシーズンを通して活躍した年は無かった。しかし、今シーズンはリカルジーニョとラファエルサカイがフル稼働、森岡薫とルイスネゴンも前線での起点など、数字以上の貢献をしている。外国人選手が3名以上活躍しているチームは他にはない。攻撃において外国人がしかも4名もフィットしているのだから、攻撃力が強化されているのも当然だ。

2人の守護神による守備力

得点数やボールポゼッションが高いからか、名古屋=攻撃力という印象が強い。高いボールポゼッションは自分たちのペースで試合を進められる。しかし、その反面、攻撃が中途半端に終わればカウンターを食らいやすい。名古屋は攻撃力だけでなく、「カウンターに弱い」という印象もあった。 だが、今シーズンは攻撃をシュートで終えたり、外に出したりと不用意にボールを失う事も少なくなった。それでもピンチは1試合に何度かあるが、最後尾には川原永光がいる。もともと日本人ゴレイロで最高の選手が専属コーチの元で鍛えられ、1対1やコースを消す部分が格段に進歩した。そして、PK時にはもう1人のゴレイロ、定永久男がいる。川原にはない反射神経と飛び出しの勢いで、成功率の高いPKや第2PKをことごとく止めてしまう。この2人が日本で高いレベルで競い合っているのだから、守備力が向上しないはずがない。

名古屋一強は続く

今シーズンの名古屋の勝利はアジウ体制になってから3シーズンの集大成といえる。つまり、今の名古屋を倒してリーグを制するには、結成して1年の即席チームでは難しく、数年がかりでブレない戦術を確立できなければ対抗できないだろう。そのためにはできる監督が継続することが大前提だが、町田、大阪はシーズン中に去り、北海道も伸び悩んでいる。そうなると、残るは府中と大分、それと浦安だろうか。だが、いずれも今シーズンを見る限り安定感に欠けている。

はたして名古屋のライバルの座に名乗り出るチームはどこになるのか?