良い監督、悪い監督、普通の監督

監督の定義・役割

Fリーグで外国人監督の就任が発表されるたびに、「あの新監督は良い監督なの?」と聞かれる。海外では監督の役割はチームの方向性と試合前と試合中の采配を決めれば良いのが大半で、日頃のトレーニングやメンタルケアなどはコーチやドクターなどが担う。だが、日本のフットサルの場合は監督がすべてに携わなければならないのが実情だ。
そのため、良い監督かどうかは過去の実績だけで判断するのは難しい。

状況によって異なる役割

さらに今のFリーグでは、チーム毎に現実的な目標は異なる。失礼な話だが、今シーズンの優勝争いは名古屋と大阪、町田、神戸の4チームくらいで、新規参入の府中や北海道、新監督を迎えた花巻、浦安あたりは優勝よりもチームの強化が現実的な路線で、大分も若手中心で優勝よりも若手の成長が優先されるべき状況だろう。

しかし、花巻や府中は方向性を見失い、浦安もチームがバラバラな状態が予想以上に続いた。北海道や大分はある程度の結果を残したが、北海道が良かったのは目先の勝利に目もくれずポリシーを貫いた事で、自分たちのレベルをつかむことができ、大分も若手が成長した点は、来シーズンにつながる収穫である。

逆にそれなりの結果を残しているから良いというわけでもない。大阪は優勝を狙う年だったが、1順目で優勝争いから脱落。途中で追い上げたものの、3位に終わった。リズミカルなパス回しと厚い選手層を揃えた事は評価できるが、優勝争いに絡めなかったとなると、良い監督とは言いがたい。今後どうするかは興味深いところだ。

適する監督とは?

つまり、チームのレベルや状況によって勝たせる事ができる監督と、選手やチームを育てる事ができる監督を使い分けなければならない。目標が優勝で実際に優勝できれば、古典的な戦い方だったり外国人選手に頼るような戦い方であっても構わない。ただ、それを続けて先があるかどうかはわからない。

逆に選手を育成させることが目的ならば、全敗しても構わない。ただ、それをフロントがスポンサーやサポーターに理解してもらう必要があるが...。

アジウが名古屋の監督に就任した時、「日本人に適したフットサルスタイルを作りたい」と言っていた。優勝が絶対の名古屋は理想と現実の両方を求められているが、今のところ「日本のチームが海外に通用するチーム」は作りかけていても、「日本人でも勝てるチーム」については?がつく。

その一方、今シーズンは結果がでなかった浦安のセサルは結果だけ見れば悪い監督で、昨シーズンまで率いたシト監督を何が何でも継続させた方が良かったかもしれない。だが、継続して行ってきた日本人に足りない基礎とメンタリティを植えつける事ができれば、強いチームが作り上げられる可能性はあるので、今シーズンだけで判断するのは時期尚早である。

監督の評価はチームのビジョン次第

監督の良し悪しの基準はチームの目標を達成しているか否かの1つに尽きる。来シーズンで言えば、大阪、町田は優勝、神戸、浦安、大分はチームの骨組に肉付け、府中と花巻は3年後の優勝争いができる事が基準になるだろう。

北海道と湘南に関しては来年を勝負の年と考えるか、それ以降へつなげるかによって変わってくる。