転換期を迎える神戸

意外に脆い

試合前の集合写真では笑顔だったりVサインをしたり、試合中も波に乗ればベンチで相手チームの神経を逆撫でするほど騒ぐ。それが神戸だ。しかし、「リードされるとおとなしくなる」と選手が語るように、その表面的な部分とは裏腹に神戸の選手たちは劣勢に弱い。

今シーズンの23節までと過去2シーズンで神戸は27勝しているが、そのうち逆転勝利したのはわずかに4試合しかない。つまり、自分たちのペースで試合が進めないと脆い傾向があると言える。

強いメンタリティの注入

そこに比嘉リカルドが監督として、鈴村拓也が選手として'09年末に加入した。比嘉は日本代表でキャプテンを務めたり、フォルサヴェルヂ・バンフなどでも強いメンタリティでチームを牽引してきた。 一方、鈴村も負けん気の強さは代表でも屈指だ。決してテクニシャンではないながらもスペインのクラブでキャプテンを任されたのは、気持ちの強さが評価されたからである。
精神的に強い2人は、脆さで今シーズン勝ちきれない神戸にとって頼もしい存在と言える。

フットサルをやる事のジレンマ

しかしながら、メリットばかりではない。これまでの神戸といえば、パス回しで崩すスタイルを極力避けて、勝負強いエースの原田浩平などの1対1を中心にシンプルで直線的な攻撃がウリだったが、比嘉はパスを回して崩す純フットサルスタイルを取り入れようとしている。

これまで前線で孤軍奮闘していた原田は「パスコースが増えたのでやりやすくなった」と手ごたえを掴んでいるが、その一方で従来からの変更に戸惑いを隠せない選手もいる。

一時代の終焉

比嘉と鈴村は神戸に欠けていたピースを埋める存在であるのは間違いない。しかし、それを上手く埋められるかが、今後の神戸の課題になるだろう。

今シーズンは自力での3位以内が絶望的となったため、じっくりチームを作ることができるのは好材料だ。今シーズン開幕前、キャプテンの伊藤雅範が「今年は名古屋に勝つ」と断言したように、神戸は自信があったはずだ。しかし、それも実現できずに終わりスタイルも変更ということは、独自路線を突き進んできた時代も終焉を向かえ、新しい時代のスタートなのかもしれない。