我慢の重要性

ちょっと変わったトレーニング

木暮賢一郎が講師をしていたクリニックで面白い練習メニューがあった。スペインで実際にやっていた練習だというのだが、ルールを簡単に説明すると、

  1. ハーフコートの4対4で攻撃陣はゴールを狙い、守備陣はそれを防ぐ。
  2. ゴールを決めたらそれで終了。
  3. ただし、パスを10本つないだら守備陣は1人ピッチの外へ出て、4対3になり練習を再開。
  4. ゴールが決まるか、守備陣がボールを奪うか、ボールが外に出るかまで続く。
という一見すると簡単なメニューだが、3の「パスを10本つなぐ」というところがポイントらしい。

点を取るための我慢

練習でもパスを10本つなぐことは容易なことではない。無理なパス回しをして奪われるならば、さっさとシュートを打った方がという考えもある。しかし、この練習では10本パスをつなげば守備陣が1人減って4対3となり、パスを回しやすくなる。さらに10本つなげば4対2になる。ここまでくればシュートまで持ち込める可能性はかなり高くなる。

点を取るためには積極的な仕掛けやシュートが必要だが、パスをつないでチャンスが訪れるまで待つ我慢が必要なのだ。ちなみに、パスをつないでばかりではだめで、パスとシュートの素早い判断もこの練習のポイントの1つである。

待てる強さ

「無理して攻める必要は無くて、相手の隙ができるのを作ったり、待ったりすることも時には必要。日本は守るときの我慢はできても、攻めるときの我慢が足りないと感じる」とスペインでプレーしていたときに木暮は語っていた。実際インテルビューやエルポソといった世界トップクラスのチームにはチャンスを作るまで待つ余裕があり、ペースのアップダウンを繰り返したり、仕掛けるそぶりを見せたりしてチャンスができるまで待てる忍耐力と技術を持つ。

決定力=成功率を上げる場面を作る我慢

Fリーグも実力が拮抗したり、引いて守ってカウンターで粘り強く戦うチームが増え、どのチームもそう簡単に勝てなくなってきた。だからこそチャンスをしっかり決められる決定力が重要になるが、その決定率を高くするためには、成功率を上げるための良い状況を作り出せるかが鍵になる。

しかし、現実は堅守速攻なチームが増えている。しっかり守ってカウンターで点を取ることは勝利のためには必要不可欠な要素だが、そればかりではフットサルの醍醐味であるテンポの良いパス回しや、1対1の勝負などが消えてしまうだけでなく、世界との実力差が開くばかりだ。

強くなるためにも、攻守において我慢できる忍耐力と技術力は欠かせない。