代表の方向性

新監督を招きようやく始動

新監督をスペインから招き、ようやくフットサル日本代表が始動したのは、W杯が終わってから8ヶ月後のことだった。日本のトップクラスの選手たちは、FリーグとW杯、その前にはアジア選手権、さらにさかのぼれば前年のFリーグとほぼ休みなく働いてきた。そのため、少々の休みがあって良かったのかもしれないが、それにしても始動までが長かった。

ミゲルオリジナル

これまで選ばれた代表候補メンバーを見ると、フィクソとドリブラーがとても多い。また、練習で組まれたセットには、ピボとドリブルが得意なアラとフィクソ2枚という構成だった。セゴビア時代も近いやり方をしており、アルゼンチン代表で長身なマティアスとスペイン代表で小柄なリンという2枚が相手を切り崩せるドリブルを武器としており、ピボにボールが収まらない場合は、彼らが中心となって相手の守備を崩す。 おそらく、セゴビアと同様のやり方でいくのだろう。

ポイントは“パスが出せる”フィクソ

セゴビア時代の戦術を見ると、ブラジル代表のベットンほどではないが、前線でキープできる選手が何人かいた。しかし、彼らはゴール前で張り続けるのではなく、絶妙なタイミングでパスを受けられるポジショニングをとり、瞬時にパスを受けて、次の攻撃につなげていた。

そうなると、ここでのポイントが2つ出てくる。1つは、前線でパスを受けられるピボと攻撃を作れるフィクソの存在だ。ピボはミゲルの元で学んだ高橋健介がおり、彼から星翔太や負傷中の原田浩平あたりにミゲルの始動がきちんと伝わり技術が磨かれれば、計算できるようになるだろう。

ただ、問題はパスを出せるフィクソになる。Fリーグでもしっかり守れるフィクソは多いが、攻撃を組み立てられるのは甲斐修侍や藤井健太、岸本武志など、どちらかというアラな選手が多い。菅原和紀は後方でさばくが、サイズと運動量が物足りない。適任と言えるのは、上澤貴憲くらいではないだろうか。

進化が求められる村上、そして...

これまでの代表候補メンバーの中で、パスも出せるフィクソとして開花する可能性があるのは、村上哲哉あたりではないだろうか。
9/7〜9に行われる代表合宿に選ばれた選手構成を見ても、そのポジションには上澤と村上が当てはまり、ミゲル監督就任後の選定を見ても、村上には相当な期待がかかっていることがわかる。
ミゲルの戦術の成功の可否はこの2人にかかってくるともいえよう。

最後に、これまでのポジション構成などを見て気になるのが、木暮賢一郎だ。今のプレースタイルでは正直木暮の適所は無い。しかし、ミゲルのやり方を理解しており、日本の目指すフットサルをFリーグで体現化しようといる選手でもある。

ミゲルが彼をどのように使うか、もうひとつの見どころでもある。