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第５回 中国リーグ参入戦が去る2009年2月22日、島根県の金城総合体育館にて行われた。
出場したのは中国地方の５チーム
◆ＦＣなまら（山口）
◆P.l.e.de.MASUDA（島根）以下マスダ
◆SOCIO FC（岡山）
◆トゥリパーノＦＣ（鳥取）
◆広島DLLC/PIVOX（広島）以下ＤＬ
以上の５チームにより朝８時４５分からの代表者会議にて、組み合わせ抽選が行われた。
組み合わせは以下の通り。
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��上位２チームによる決定戦
優勝決定戦に名乗りを上げたのが優勝候補の一角とされていた広島代表ＤＬＬＣと島根代表P.l.e.de.MASUDAの２チーム。
今回は優勝候補といわれたにも関わらず決勝にて敗れていった、ＤＬＬＣに焦点を絞り参入戦を振り返ってみる。
◆ＤＬ予選１試合目
対 ＦＣなまら（山口県代表）
予選１試合目でＳＯＣＩＯに逆転負けを喫しベンチ要員も手薄なまら。
前半徹底したピヴォ当てへのロングボールによりＤＬを苦しめるものの、ＤＬがこれを耐え凌ぎ後半怒涛の攻撃で攻め立て８得点をあげた。
ＤＬ ８−０ なまら
◆ＤＬ２試合目
対 トゥリパーノＦＣ（鳥取県代表）
予選最後となったこの試合。
ＤＬＬＣは１試合目の大量得点が効いており、この試合大量失点さえしなければ決定戦への道は開けていた。
１試合目にカードをもらってたい６番をこの試合は使わず温存。
この試合後に行われる決定戦の為に他主力も温存し、セカンドセットを中心にこの試合を戦った。
後で振り返ればこの采配が優勝決定戦における失敗の始まりだったのかもしれない・・・
この試合 ＤＬ ８−２ トゥリパーノＦＣ
ＤＬが勝利する。
予選１位突破を決め、代表決定戦に進む事が出来た原田監督の頭の中には決定戦を「２５番金子を中心としたＤＬ主力セットで心中」
という考えがあったという。
今期、ＤＬＬＣが目指したのは全員で勝利を掴む事。
誰が出ても同じ質のフットサル。
寒い中３０分ゲーム（プレイングタイム）の予選最終試合を体を動かす事無く、ベンチで過ごした主力選手達。
そして、予選終了の１５分後に行われた代表決定戦。
コミッショナー会議にてＤＬＬＣはユニフォームの着替えを余儀なくされ、試合前のアップもろくに出来ずに試合に望む。
このとき、最終試合にたくさん出て体が暖まってたセカンドセットの選手を使えてれば？いや、その前に温存なんていう甘ったれた考えが無ければ？と原田監督は振り返る。
ますだは予選にて優勝候補の一角である岡山代表のSOCIOと激戦を繰り広げ、それに打ち勝ち疲れはあるもののテンションを上げて決戦に望む。
◆優勝決定戦
広島DLLC/PIVOX（広島） 対 P.l.e.de.MASUDA（島根県代表）
ますだはベンチ入りを２セットに分け、 それぞれのセットの特徴を活かしたゲーム展開を繰り広げる。
前半はお互いに一進一退の攻防。
チャンスもありピンチもありといった、一歩も譲らない緊迫した展開が続いた。
お互いがお互いの長所を出したフットサルを展開。
そして、後半はＤＬはこの膠着した状態を破る為、２５番金子・６番アツシ・１３番翔太・８８番内山といったＤＬの攻撃的セットででのぞむ。
後半はこれが効を奏したのかＤＬペースで試合が進む。
ＤＬはゴール前惜しいとこまで持ち込むもののシュートがバーを超え浮いてしまう。
そして、スコアは０対０のまま動かずに延長戦へと突入する。
「この１０分。全てをぶつけて来い！」
原田監督の出した指示はこうだった。
延長前半中盤で１失点を喫するＤＬＬＣ。
ますだは頻繁にメンバー交代を繰り返しす旨い選手采配。
対するＤＬは出る選手、戦える選手が限られ更に１失点を喫した事で選手の動きが止まってしまう。
その後立て続けの失点によりあっという間にスコアは３点差。
昨年のトップリーグに負けた後、「勝負所で勝負できるメンバーへの負担を少なくする事が大事」と肝に銘じた言葉を思い出す原田監督。
「ダメか・・・」と諦めた時に原田監督が交代の指示をする直前２５番金子がベンチに戻ってくる。
「カズさん、ＰＰ行きます！」
こんな時の為に練習を重ねてきたパワープレー！
ＤＬはベンチを含めまだ誰も試合を諦めていなかった。
金子を中心としたパワープレーにより、
ＤＬは３点あったビハインドをたったの５分で入れ返した。
勝たなければ終わりという試合で驚くほど冷静でしたたかなＤＬ。
延長後半ＤＬがパワープレーでマスダゴールを脅かすが押し込むが後と１点、たったの１点が遠かった・・・」
ＤＬＬＣが負けたこの瞬間、ますだの中国リーグ参入が確定した。
その場に座り込み、倒れこむＤＬの選手たち。
ユニフォームで顔を覆うＤＬメンバー。
観客席に頭を下げたまま顔を上げる事の出来ない選手を見ることが出来ず１人外に出てしまう原田監督。
それとは対照的にますだの選手は嬉し涙を流し抱き合って喜んだ。
ますだの中心選手である藤山選手は、この試合を最後にますだから広島F.DO(中国リーグチーム)に移籍する。
最後の置き土産として、チームに貢献できてよかったとほっと胸をなでおろしていた。
今年１年ＤＬは昇格という目標は達成できなかった。
これによりＤＬの今期は終了し、来期再び県リーグの舞台で戦う。
◆ＤＬＬＣ代表原田監督のコメント
『最後の試合ベンチで一緒にボールを追いかけ喰らいついてたつもりです！だからこそ敗戦後のメンバーの姿を見るのが辛くて辛くて・・・
思い出すと本当に辛くて・・・。うちは今大会に出場していたどのチームよりもフットサルに費やした時間は長い！！特に今期は・・・・・』
敗戦直後の原田監督のコメントである。
その口から漏れた言葉が物語っているが、広島DLLC/PIVOXは広島県リーグ所属ながらその実力は中国リーグ上位ともいわれている。
過去３年間、中国リーグ参入戦へと駒を進めながら涙を呑んでいるのは来期関東リーグ１部に昇格するアルティスタ埼玉（４年連続参入戦出場）の状況に似ている。
過去１４年という古い歴史を持つＤＬ・・・
努力したからといって必ず報われる訳ではないのが、競技フットサルであり一発勝負であるのが参入戦。
再び来年この舞台に戻ってくることを力強く約束しＤＬは会場を後にした。
情報・写真提供
ＤＬＬＣ代表・原田監
◆ おまけ・さすらいの足跡(ブラジル後)
12/25・ブラジルから帰国。26千葉、27・28宮城、29・30東京、31・１は新潟で年越し。６〜９は四国で過ごし、10・11は広島でFリーグ取材。この後、中国・(広島F・DOや、奥山蹴球雑技団etc)を周り、1/18はFリーグ大阪×名古屋取材、後、24まで関西(YONAIT、高槻松原、旭屋、カンカンetc)巡り。１/25は九州リーグ取材。現在は１ヶ月ほどかけて、九州(SPORVA、RD、エスペランサ、新星・カティオラetc)巡り巡り中。３月は全日本選手権、地域CLを取材予定。
伊藤大和
中国リーグ参入戦にて２位の広島ＤＬＬＣ/PIVOX（広島県）
広島ＤＬＬＣ/PIVOX（広島県）試合前のミーティング風景
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