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「トリムカップ2009全国女子選抜フットサル大会九州予選

2009/2/1(日)  


過去3年に渡り開催されてきた「トリムカップレディースフットサル大会」が、
「トリムカップ2009第1回全国女子選抜フットサル大会」として規模を拡大し、今年の3月27・28・29の3日間、高知市で開催されます。


「フットサル元年」と言われFリーグが開幕した一昨年からフットサルの普及率は着実に上がってきており、男性のみならず女性の間でもその普及率は上がっていると言う事で本年から全国規模への拡大が可能となったのだろう。


そして全国規模になったからこそ,今年はどの県も今大会に対する大きな期待と意気込みを持ってそれぞれの地域予選に臨んだことは容易に想像できる.

近年の九州女子フットサル界の現状はと言うと,以前まではサッカーが第一でフットサルは二の次と言うアプローチから,完全にフットサルだけをプレーすると言う選手が増えてきている.

またプレースタイルもミニサッカーと言う感じでサッカー色が強かったのが,ここ数年の間に,「旋回」などの簡単な戦術を取り入れるチームが出始め,
徐々にではあるが「フットサル」と言うものが浸透してきている。


九州予選は福岡・長崎・佐賀・大分・熊本・鹿児島・宮崎・沖縄の8チームをAリーグ(福岡・大分・宮崎・熊本)とBリーグ(長崎・佐賀・鹿児島・沖縄)の2つに分けて予選リーグを行い,各リーグの1位同士が決勝戦であたり,優勝したチームのみが全国大会への出場権を得ることができると言う大会方式で行われた。

Aリーグは昨年の優勝チームである福岡が3戦全勝と危なげなく予選通過した。
Bリーグは,こちらも昨年の準優勝チームの鹿児島が勝ちあがるかと思われたが,鹿児島は予選リーグ3で敗退.その鹿児島を破り,3戦全勝した長崎が1位で決勝戦に進むこととなった.

予選リーグを見て面白いのが、男子の九州フットサルリーグでの勢力図がそのまま結果にあらわれていということだ。


来期,男子九州リーグ1部と2部のチームあわせて12チームの構成は,福岡=4チーム 熊本=3チーム 佐賀=2チーム 鹿児島=2チーム 大分=1チームとなっており,特に来期1部に福岡が4チームも所属することとなっている。


これを予選リーグの結果と照らし合わせると,九州リーグに1チームも所属していない宮崎,沖縄は3戦全敗でどちらも各リーグの最下位。

最も所属チーム数の多い,福岡は予選リーグを順調に突破し次に所属チーム数の多い熊本は福岡と同じリーグに入ったために2位に甘んじている。


これは女子の選抜選手が普段所属しているチームが,九州リーグ所属の男子チームと繋がっている点が大きく影響しているのであろう。

そういったチームの選手は,日頃からレベルの高いフットサルを目にする機会が多く,男子選手から直接指導を受けMIXと言う形で一緒にプレーする事ができるので上達する度合いも大きいと思われる。


Aリーグにはその見方があてはまるがBリーグは違った形の結果がでている。
沖縄については,先ほど説明したとおりだが男子チームが九州リーグに1チームも所属していない長崎が予選で1位となり,2チーム所属の佐賀・鹿児島がそれぞれ2位と3位になっている.

これは各県の県選抜に対するアプローチの仕方が大きな要因となっている。
鹿児島はまだまだあくまでもサッカー主体で,サッカーの上手い選手を集めてチームを構成している。

それに対して,長崎はサッカーはもちろんフットサルの技術もしっかりと加味して選手を選抜し,頻繁に選抜練習会を重ねることでしっかりとしたフットサルチームを作って今大会に臨んできた。

それは,先ほどの「全国規模」を強く意識したからこそそう言った取り組みをしてきたのだろう.

それは昨年夏の,男子選抜大会で長崎選抜が九州予選を勝ち抜いた結果がその答えを裏付けている。


決勝戦は福岡対長崎と,奇しくも決勝は男子選抜大会の九州予選決勝と同じ顔合わせとなった。

決勝戦は2月1日に大分県の別府ビーコンプラザで,Fリーグ第20節バサジィ大分対ペスカドーラ町田の前座試合として行われた。

実力的に言えば,個人能力の高い福岡に分があると予想できるが,長崎も十分な駒はそろっておりチームの結束力は非常に高く,予選を勝ち抜いた時のように勢いに乗れば逆に余裕で長崎が勝ちをおさめることも予想できた.


監督・コーチは両チームスタッフも毎年と同じ顔ぶれで,男子選抜にも関わっており,福岡からすればリベンジを果たす気持ちでのぞむならば,長崎は勝った余裕を持ってのぞむと言う心理戦もまた面白いものがあった.

試合内容は,予選ではバランスを考えた2セット編成でのぞんだ福岡が決勝戦にあわせてフルメンバー体制で序盤から一気に仕掛けて幸先よく先制点を取った。

しかし,すぐさま長崎も前線から来る福岡の激しいプレスとキーパーとの間を浮き球で突いて,選手が流れ込んでヘディングで合わせ1点を返し,再び振り出しに戻した。

ここで,福岡は慌ててペースを長崎にもっていかれるかと思われたが,精神的なタフさからしっかりとした技術で対応し,前半のうちに2点をいれ,相手を突き放した。


後半も,福岡が勢いそのままに2点を入れもったいないミスから1失点。
終盤長崎のパワープレーからさらに1失点されたものの,こちらもパワープレー阻止から1点返し,終わってみれば6対3で福岡が長崎を下し福岡県女子選抜が見事3年連続で九州代表の座を勝ち取った。

選抜大会を見て思うのは,日頃の所属するチームでの選手の取り組み方はもちろんだが,その選手たちの取り組みを各県の協会がどうバックアップするかによるところが重要であると思われる。

サッカー協会の中に属するフットサル協会である以上,その立ち位置など問題はあるだろうが,フットサル自体の普及やレベルアップを考えれば,選抜大会も大きな位置づけとして取り組むべきであろう。


普段,分散された能力の高い選手達が集まれる機会だからこそ,良い勉強の場として「経験」と言う大きな財産をできる限り得る努力をすることが選手たちの能力を伸ばし,県のフットサルレベルの底上げに繋がるのではないのだろうか。


だから,この選抜大会で全国の強豪同士でよりハイレベルな戦いを積み重ねることで各県はもちろん,男女問わず日本全体のフットサルのレベルアップを図ると言う狙いを働きかける必要がある。


そう言った意味で,本当の意味での全国女子選抜大会となる本大会では,どんな戦いが繰り広げられ,どんなドラマと結果が待っているのか楽しみである。

情報提供:九州リーグ1部Bork所属 兼 福岡県女子選抜スタッフ  谷本 俊介


◆ おまけ・さすらいの足跡(ブラジル後)

12/25・ブラジルから帰国。26千葉、27・28宮城、29・30東京、31・1は新潟で年越し。6〜9は四国で過ごし、10・11は広島でFリーグ取材。この後、中国・(広島F・DOや、奥山蹴球雑技団etc)を周り、1/18はFリーグ大阪×名古屋取材、後、24まで関西(YONAIT、高槻松原、旭屋、カンカンetc)巡り。1/25は九州リーグ取材。現在は1ヶ月ほどかけて、九州(SPORVA、RD、エスペランサ、新星・カティオラetc)巡り巡り中。

伊藤大和


優勝した福岡女子選抜


準優勝の長崎女子選抜


佐賀県女子選抜



長崎選抜試合前のミーテイング風景


福岡の中心選手でキャプテンでもある14番石井選手。




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