w杯も進むにつれ一人、そしてまた一人と帰国し最後に残ったのはわずか10名足らずのメンバーだけであった。
この日、いつもとなんら変わらずに街は動いていた。
そう、ある一つのことを除いては・・・
これは神様のいたずらなのか・・・w杯決勝の日、自分たち日本人はきずくはずもなくサマータイムが始まっていたのだ。
いち早く気がついたのは何故か自分であり、メンバーに呼びかけるしかしこんなときに限って皆ばらばらで連絡がつかなかったりする。
ここは海外で携帯も皆が使える状態でもない為、尚更このような緊急時には苦労する。
狼少年の扱いを受け俺の話を冗談と思い真に受けない奴も中には数名いたりして・・w
大慌てでタクシーを捕まえ皆で飛び乗り会場へと向かう。
何とか試合開始前にはたどり着くことができ無事に観戦。
このメンバーで迎える最後の一時。
試合終了の笛と同時に僕たちの仕事も終わりを告げる。
刻一刻と迫る別れのとき。
このメンバーで集まるのは、おそらくこれが最初で最後になるだろう。
そして一人、皆に見送られリオからサンパウロへと旅立った。
新しい門出、新生活の幕開けでめでたいことなのにね。
やっぱり別れの時というのは何度経験しても慣れやしない。
今まではボケれば突っ込んでくれる誰かがそばにいた。
僅かな時間ではあったが、其処には確かに日常の日々という新たな空間が存在していた。
明日からは誰も知らない言葉も通じないほんとの未知の世界が待っている。
伊藤大和
リオデジャネイロに乗り込んだときは、仲間がいっぱい
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