シュライカー大阪×デウソン神戸戦レポート

７/20(金)、大阪市の中央体育館で行われた、Fリーグプレシーズンマッチで、シュライカー大阪がデウソン神戸に２?１で勝利した。

素晴らしい演出だった。

アジア選手権も比ではない。真っ暗に照明が落とされた会場でピッチだけがスポットライトで照らされいる。そこにはこれまでのフットサル会場ではお目にかかったことの無い、"異空間"が広がっていた。

キックオフの一時間前。アリーナDJ「alee」さんが登場すると、Fリーグ、さらにはフットサルのルール説明。

その後、マスコットキャラクター、チアチームによるウェルカムダンスが披露された。

スポンサー、シュライカー大阪の慈善活動が紹介された後に、いよいよ選手入場。ひとりひとりの高らかな選手コールと紹介に迎えられ、体育館入り口からひとりひとりが走って入ってくる。これで燃えない選手はいないだろう。

しかしその20分後にキックオフした試合は、少しトーンダウン。

静かな立ち上がりで、パス交換は淡々と繰り返され、フットサルの見所であるゴール前での攻防やシュートシーンは少なめ。演出で盛り上がった熱も、徐々に冷めていってしまう感じがあった。

シンプルな攻撃を掲げるシュライカーは、どんどん前にボールを当てる。しかし、先発の?西村、後発の?内田ともに、２枚のピヴォがデウソンのフィクソ?ブルーノに完全に押さえ込まれてしまい、ボールが前線に収まらず、攻撃の形ができない。

逆にアウェーで乗り込んできたデウソン神戸は、?ブルーノが入って最後尾の守備が安定。?伊藤もフィクソの位置でボールを捌く場面が多く、後ろ(２枚)が安定したことで、攻撃も落ち着いて組み立てられるようになってきた。決定的なチャンスは神戸の方が多く作れていたほどで、シュート数は(前後半で)シュライカーの10本に対し、デウソンは21本と倍以上のシュートシーンをつくっている。

それでも先制はホームのシュライカー大阪。９分、「ミスターフクロウ」こと、?奥田が右サイドから左サイドに流したボールをエース?岸本が決めて、１?０。

その後は再び神戸がチャンスをつくるが、シュライカー大阪はゴレイロ?村島が再三のファインセーブでゴールを許さない。前半はシュライカー大阪が１点をリードして折り返す。

後半もシュライカーは連携不足が目立つ展開。ボールポゼッションを高く、ボールを小気味良く回すマグ時代のフットサルは過去の産物なのか―。どうも相手の守備陣形を乱せないまま、前に急いてでいまうのは気になる。

対するデウソンも守備では活躍を見せる?ブルーノが、前に居るディフェンダーに向かって、足裏で何度もボールを突き出しながら前進したり、危ない位置でドリブル勝負に出て、カットされ、カウンターを招いたりと"挑発プレー"や"危険なプレー"も出てくる。神戸にとってブルーノは"救世主"にも"破壊主"にもなりそうだ・・・。

試合の方は32分、シュライカー大阪が中央でカットしたボールを?西野が左サイド?西村へ。西村がドリブルで持ち込んで、ゴール前に折り返したボールを「イケメンプレーヤー」こと?瀬戸が押し込んで、２?０とリードを広げる。

しかし対する神戸も37分、中央でボールを受けた?原田が冷静にゴレイロをかわして、シュート。再三の好セーブでピンチを救ってきたシュライカー?村島からようやくワンゴールを奪って、１?２とする。しかしその後は再び?村島を中心としたシュライカー大阪のゴールを割れず。ホーム・シュライカー大阪が逃げ切りで、ホーム初ゲームを勝利で飾った。

両チームに課題が残った試合といえるだろう。観に来たお客さんは試合前の演出ほど、気持ちの高ぶりを試合の中で見出せなかったと思う。
原田監督も試合後のサポーターへの挨拶で「また応援に来てください」と言う前に「こんなもんではないんで・・・」とエクスキューズを入れたことがすべてを物語る。

神戸はチャンスを作れるところまで行ったので「決定力」が課題。最後を「決める」と「決めない」は、勝点「３」と「０」の違いとなって跳ね返ってくるだけに、リーグ開幕までには集中して取り組むべきテーマとなりそう。

シュライカー大阪は「戦い方がうまく行かなかった」以前に、戦う姿勢に問題はなかっただろうか？関西リーグや全国大会で結果を出してきたことで、自信を持つことは素晴らしいが、この日の試合からはチャレンジャースピリットを感じなかった。2,736人のお客さんに自分たちのいいところを見せよう、フットサルの面白さを見せようという意識が高かったのか、ショーを見せようとするアクターのようで、勝利を追求するファイターではなかったように思う。スポーツでは『華麗なプレー』より前に『一所懸命なプレー』に魂を揺さぶられると思う―。泥臭いゴールでもいいから、この日集まってくれたフットサルファンに、もっと多くのゴールシーンを見せてもらいたかった。

スタジアムDJの「alee」さんが登場。会場の照明は落とされ、スポットライトだけがピッチを照らす。

選手紹介。シュライカー大阪はひとりひとりが紹介されて、入場！面白選手紹介も。

選手入場の前。この日はチアチームとマスコットキャラクターもお披露目された。愛称募集されるようです！

シュライカー大阪とデウソン神戸の「阪神」ダービー。３度目の対戦となるが、状態が上がってる様に見えるのは神戸。

平日夜にも関わらず、2,736人のフットサルファンが観戦に駆けつけた。

※追加の写真とコメントも後日、紹介予定です。お楽しみに！(^^)/