arco-iris KOBE×丸岡RUCKレディース/地域女子LC

２/22(日)、テバオーシャンアリーナにて、2015年地域女子リーグカップの決勝戦が行われ、A組１位・東海代表の丸岡RUCKレディース(以下、丸岡)を破り、B組１位・関西代表のarco-iris KOBE(以下、アルコ)が初優勝。

アルコは11月に行われた、第11回全日本女子フットサル選手権大会に続き、２つの女子の全国大会で優勝。史上初の２冠達成で、日本女子フットサル界に、金字塔を打ち立てた。

　先制はアルコ。17:31 相手ゴール前で得たフリーキックを６.井野が直接、豪快に蹴り込んだ。強シューターの井野に対し、壁は１枚。ブラインドになったようにも思えたが、守備対応は良かったのだろうか？

　その後はスコアは膠着状態となったがアルコが押し込む展開が続く。09:13 アルコは左サイドから９.関灘の折り返しを10.中野があわせて、２－０。02:45にはコーナー・左角から６.井野の折り返しを17.藤田があわせて３－０。01:30にもアルコは10.中野、６.井野とつないで、４－０。リードを広げて、前半を折り返した。

　後半開始早々の19:12、丸岡は９.北川が中央でうまくトラップからグラウンダーのシュートを放ち、反撃の狼煙を上げる。

　しかし次の追加点はアルコに。16:12、９.関灘がドリブルで切り込み、シュート。こぼれ球を自ら押し込んで、５－１。「相手は絶対あきらめない。自分たちも最後まで戦おうと話していた」(６.井野)と気持ちの備えもできていたアルコが、丸岡に主導権を譲らない。15:58には前に抜けた19.若林が追加点をあげ、６－１。反撃したい丸岡には苦しい連続失点となった。

　点差の広がったアルコは試合に出ていなかったメンバーも次々とピッチに送り込む。08:05には17.藤田の反転シュートが決まり、７－１。ピヴォでうまくボールを収めたり、散らしたり。藤田はまた強力なピースとして、アルコに加わった。00:58には６.井野がハットトリックとなるゴールを決めて、８－１。試合は思わぬ(？)点差をつけて、女子フットサル界を牽引するアルコが、若い丸岡に貫禄を見せた形となった。

　丸岡はフットサル女子日本代表にも選出されている、９.北川、13.高尾らを中心に、特にカウンターで攻撃のチャンスをつくった。ボールサイドに引き付けて、キレイにファーにボールを送るも、フリーのシュートを外すなど、好機を逸してしまった。それでも"高校生"だけで、早くも全国ファイナルの常連となり、アルコのライバルにまで上りつめた。彼女たちだけでなく、「日本女子フットサルの未来は明るい」と言えそうだ。
　３日間の戦いで、疲労の色も濃かったのだろう。アルコの登録20名に対し、丸岡は12名。男子の地域CLを見てもそうだが、３日間の戦いを考えると、一部の主力に頼らず、どれだけフットサル、チーム戦術を理解、実践できるメンバーを揃えるか？が、"全国大会を獲る"大きなファクターとなる。予選の１日目でアルコと対戦すれば、まだ"勝負になった"かもしれないが、チーム力のアップは、今後アルコと対峙する上では、重要なチームテーマとなりそうだ。

　一方のアルコは"抜けている"印象を強く受けた。２チームに分けても、決勝の舞台に上がってきてしまうのではないかと思えるほど、主力級の選手がゴロゴロ居る。丸岡や他地域にももちろん頑張ってもらいたいが、現時点で、アルコに対抗できるチームは関西や兵庫に居るのではないか、と思う。今回は関西は１枠だけで、アルコは「関西の出場枠を増やす」というタスクも自らに課していた。アルコが持ち帰った関西枠により、来年度、"てっぺん"を賭けて争うのは、更なる成長を見せる丸岡か、関東の巻き返しか、あるいは他地域の台頭か、アルコがまた決勝まで上り、関西ダービー、兵庫ダービーとなるのか？興味は尽きない。

◆arco-iris KOBE 10.中野絵美コメント

―おめでとうございます！
中野選手「相手は走るチームなので、負けたくなかった。自分たちが頑張らないと勝てないと思っていた。相手も疲れていた、その裏をつけるかだと考えていました」

―球際も激しかったですね？
中野選手「そうですね！負けたくなかったので。(優勝して)"関西に２枠"というのも言われていたので。SWHレディースにも託されていた。いろいろ背負いながら来たので。もって帰れて良かったです」

―終盤は主力以外も選手も出場していたようですが？
中野選手「すべて出るのはしんどかったし。(他の選手も)経験をつめればもっともっと上に行けるという、監督の考えだと思います。あとはウチらがどれだけカバーできるかだと思うし、(他の選手も)もっとレベル上げないとこういう舞台立てないと思うので」

◆arco-iris KOBE ６.井野美聡コメント

―やりましたね！
井野選手「全日と同じ決勝のカードだったので、失点したところとか、修正をまずチームで話し合いました。自分たちでやっていることはそんなに変わらないので、失点があるときや、雰囲気が悪くなるときは、自分たちのミスからそうなるときが多いので、そこだけ修正しようと思いながらやってました」

―４－０とスコアが開いていきましたが、楽な展開だった？
井野選手「ラックさんは昔から交流があるチームで、団結力を知っているので、点差が開いても『そこからや』と思っていましたた。絶対あきらめないし、来ることはわかっていたから。自分らもあきらめずにというか、気を抜いてしまうと４点とか普通に返してしまうチームなので」

―初優勝です。
井野選手「自分たちとしては初めてというか、全日を勝った上でのこの大会だったので、全国で始めての２冠を目標にやっていた。まずは関西で勝たないといけないというのがあったから、そこをしっかり勝ってから２冠を目指そう、と。史上初というのは自分やチームとしては獲っておきたかったので良かったです」

―目標の２冠を達成しました。次の目標は？
井野選手「全日の３連覇と、男子の地域CLも関西同士の決勝となっていますが、来年は(関西女子も)２チーム出れるという話もあるので、関西の実力と言うか、フットサルが盛り上がっていけばいいかなと。もう私は上の年代になっているので、下の年代が盛り上がるのと、関西のフットサルが盛り上がって入って欲しいという気持ちで挑んでいた。普及ももちろんしていなかいといけないですし。若い子も盛り上がっていけば、フットサル界は変わっていくのではないか、関西のフットサルが良くなっていけばいいと考えています」