「自分を育ててもらえた。というのが関西リーグにはある」岡部政樹（１）

１/10(土)、八幡市民体育館で行われた関西フットサルリーグ最終節で、MESSE OSAKA DREAMの岡部政樹選手(45歳)が引退を決めた。リーグ最年長。関西プレリーグ時代(前)から、関西フットサルを引っ張り、「関西のミスターフットサル」と呼ばれた岡部さんから、最後(？)のメッセージを受け取ってきました。

　以下、岡部さんの試合後の言葉です。

　今日が最後という実感もない。ずーとやってきたから。まぁでも関西リーグでやってこれて良かったかな。大阪府リーグに１回落ちて、優勝して帰って来たりもしましたが･･･。

最終戦前。どことなく思いつめたような表情の岡部選手

　本来、ボクは去年でやめようと思っていたんです。けど、選手が４、５人抜けて、練習のこととか考えたら人数的にも･･･と考えると、体も動くし、もう１年頑張ってみようかーと思って･･･。

　このレベルでやるには１年やるには覚悟が必要。４５(才)やしね。いっときだけ良かったらいいとかじゃないし、体も維持しないといけない。いま一番下のやつが19才。そいつと一緒にピッチでしのぎを削りあってやるには、ネ。

　まぁでもそういうのを思いながらもフットサルをやってたら楽しいし、やっぱりフットサルはこうでないとイカンな、と。

　レベルを落とすのはハッキリ言うて簡単なことやと思うんですよ。関西リーグでも試合出られへんかったらポンッと出ていく人もいてると思います。

　僕が経験した中でも３部とかだと、リーグの人らをバカにするつもりはありませんが、寄せの激しさだとか、やっぱり関西のレベルとは全然違う。ボク的にはそこに行っても･･･ひょっとしたら試合に出れて活躍できるかもしれませんが、それがホンマに自分にとって喜べるかというと･･･そうじゃないから、この関西で、やっぱりこだわって、試合に出れなくなっても『ココやな･･･』と。レベルを落とすのは簡単やけど、(ここで)やり続けることの方が大事かな、と。

　1997年の９月にドリームを立ち上げて、ホンマに環境なかったときやから。「フットサルって何？」って感じやったから。まぁでもボクがラッキーやったのは、ありがたかったのは、周りにレベルが高いやつらが居てくれた。ボクもそこに勇気を持って飛び込んでいった。

　ケンタ(藤井健太・現ペスカドーラ町田。元フットサル日本代表キャプテン)とかにしても、へこまされるし、『もう無理やな･･･』って思わされたことが何回もあるけど、ボクは格闘技やってたおかげでメンタルは普通の人よりはたぶんあったから、気持ち的に持った部分はあると思うし、切り替えれた。

　フットサルってプレーでも切り替えって大事やけど、気持ちの部分でも、大事なことってすごくあると思う。それを持ち越さないとか、忘れるんじゃないけど、反省して自分で修正してへこむんならその時間もいいと思うけど･･･。

　まぁでも自分の周りにうまい子、スズ(鈴村拓也・現デウソン神戸。元フットサル日本代表)もマグでやってたし、カスカヴェウ関西の中にも丸山哲平(元名古屋オーシャンズ、元フットサル日本代表)が居たりとか、レベル高い選手がそうやっておってくれたから、自分も育ててもらえたかなーというのが関西リーグにはあるんで･･･。

　ボクはだからこの中でどうやって生きて行こうかなって、どうしたらいいかなって考えないと、ここではできないとすごく思ったんでね。ブラジル人チームのヨナイチもそうやし。自分を磨いてもらったというのがすごいある。

　やっぱりブラジル人はできひんやつにはボール回してくれへんから。やっぱりこう認めさせたいというのがモチベーションになった。北谷くんなんかも取材に来てくれて、モチベーションを与えてくれるというのが、ボクの中であったので、そういう人たちに自分は本当に成長させてもらった、育ててもらったというのがある。

　ボクはサッカーも一線級でやってなかったし、周りの選手権出たやつとかと一緒にできてるって、奇跡的に近いと思う。

　まぁでも、ボクは一線級でやってなかったおかげで、逆に、ここまで長くやってこれたのかなぁと･･･。一線級でやってたら、逆にプライドがあるから。プライドをなかなか捨てられへん人もおると思う。プライドがあるから長く続けられへん。『俺、こんなんちゃうのになぁ』とか出てくるから。

　ボクは(最初から)プライドなんか捨ててたし、一線級でやってなかったおかげで、(年齢が)下の子から言われても、『あぁ、こんなオッサンに言うてくれるのはまだ期待されてるんやなぁ』と思えたりする。いちいち言われたことに『なんやねんコイツ。年下やのに』って持ち越したらたぶん続けへんと思う。

　でもやっぱりその自分にそうやって言ってくれるのはありがたいこと。だいたい動かれへんとあきらめられてたら「しゃあない、しゃあない」ってなるところを言ってくれるのはありがたい場所やった。言ってもらったおかげで続けれたかなぁと･･･。

　フットサルとしてのプライドは無かったから、長く続けてこれたのかなぁと･･･。スポーツに対する姿勢とか行動というプライドはすごい持っていたんですけど。

関西リーグ2009、TOY戦でゴールを決めた後

レポート・写真：北谷仁治

「自分を育ててもらえた。というのが関西リーグにはある」岡部 政樹（１）

「自分を育ててもらえた。というのが関西リーグにはある」岡部政樹（１）