全日本女子・兵庫予選・arco-iris×SWH Ladies Futsal Club

８/24(日)、アスコフットサルパークMAYA(兵庫県)にて、第11回全日本女子フットサル選手権大会兵庫県大会が行われた。決勝カードはarco-iris×SWH Ladies Futsal Club。ピッチサイドには応援、スカウティングの人だかりが出来た蒸し暑さもあるアスコで、熱戦・死闘は繰り広げられ、終盤にリードを広げたarco-irisが兵庫県代表の座を勝ち取った。

　arco-irisは明日、９/６(土)、平群町総合体育館(奈良県)で行われる、関西大会に出場する。

　アルコがリードを奪えば、SWHが追い上げる。そんな試合展開だった。

　15分プレイングの13:32 右サイドを10.中野　絵美が破って、アルコが先制。アルコは組織された前プレやパス回しだけでなく、持ち前の"個の力"が、再三、SWH守備陣を切り裂いた。立ち上がりはアルコのボール支配率が高く、積極的なシュートも多い。一方のSWHはパスが出足の良いアルコディフェンダーに引っかかり、パス回しでリズムが掴めなかった。

　それでも、SWHは10:29、10.江口なおみが中央でボールを奪ったところから、最後は８.中村茜がゴールやや左から、胸のすくような強烈なボレーシュートを叩き込んで、１－１。アルコの独走を許さない。

　この試合、常にリードを奪ったのはアルコだった。08:13、中央の縦パスが通ったところ、17.藤田靖香が飛び出したゴレイロの手前でシュートを放ち、２－１。しかしSWHは07:10、左サイドから11.天満舞が中央に流したボールを15.網城安奈が決めて、２－２。シーソーゲームに持ち込んでいく。

　04:54、アルコは相手の４秒ファウルを得て、10.中野絵美のフリーキックがネットを揺らしたが、直接入ったシュートでノーゴール。しかし、03:28、カウンターから、最後は14.中西　真由美が決めて、再び３－２と勝ち越すと、03:21には、９.関灘美那子がカットインからシュートを決め、４－２。ここでこの日、初めて、アルコがリードを"２点差"に広げた。

　しかし粘るSWHは、前半残り１分、ペナルティエリア内で切れ込む14.坂田睦が倒されて得たPKを、８.中村茜が決めて、３－４。再び１点差に詰め寄って、前半を終える。

　後半、守備の要でもある６.井野美聡が長くピッチを離れるアルコ。すると試合はやや膠着状態に入ったが、07:53、SWHは９.佐藤絵理がスライディングシュートで押し込み、４－４。再び試合を振り出しに戻す！

　しかし徐々に疲れも見え始めたSWHは、アルコの前プレに掴まり出す。03:46、ピッチに戻っていた６.井野美聡がひきつけて、右にはたいたボールを20.西尾瞳が決めて、５－４。アルコが４度目のリードを奪うと、02:56には、左サイドで、ディフェンダーの裏を取った19.若林エリがゴレイロを良く見て、冷静にゴールにシュートを流し込み、６－４。再三、積極的な仕掛けを見せていた若林が試合をほぼ決定付けるゴールを奪う。

　01:03、またも最後尾のディフェンダーの裏でボールを受けた、10.中野絵美がゴレイロの手をはじく、強烈なシュートを叩き込んで、７－４。残り４分を切って、"底力"を見せたアルコが４年連続となる、兵庫県代表の座を勝ち取った。

◆arco-iris・井野美聡選手インタビュー

－きつい試合でした？
井野選手「きつかった～。ホンマにきつかったです」

－途中、長い時間試合に出ていなかったのは？
井野選手「熱中症･･･。前半あれだけ出続けて、普段ならあのまま行くかな～というところでしたけど、途中で、自分でも代えてと言って。自分がフラフラになるまで出るよりはリフレッシュした方がいい。みんなも実力がついているし。実力がある子がたくさん出てきて、私が代わっても戦える力があると思えたから。結果が出て良かったと思います」

－常に先行する形で、SWHが追い上げる展開となりましたが、最後引き離せた要因は？
井野選手「やっぱ底力ちゃいますか？最後の時間で３点取れる。最後は集中も切れて行くものだから、全員で戦うことが大事。たくさんの戦術もあるし、もちろん私たちも持っていますが、最後まで走り切るだったり、飛び込む、ボールに向かう姿勢を忘れなければ、結果として出てくると、今回のゲームで思いました。こんなに暑くて、いつもと違うピッチで、いつもは36×18mくらいのところでやっていたので、正規の40×20mのサイズでこの暑さでやるのは厳しい戦いやったと、振り返って思います」

－今年チームのテーマとして取り組んでいることは？
井野選手「やっていることはそんなに変わっていなくて、前からプレスするのも全然変わっていない。このレベルに来れば、うまい選手は引き出しが多いので、その引き出しをどれだけ小さく出来るかで勝敗が変わると思っています。ハイプレスをかけて、相手の考える時間を奪う。周りもプレスをかける。ハイリスクにはなるけど、それを周りでカバーできたらハイプレスはかなり有効だと思うから。それだけ走り切るということですね」

－次は関西大会です。
井野選手「関西大会も厳しい戦いになると思います。去年優勝してて、みんな私たちを倒して全国に行こうと思っていると思う。上に立てば立つほど、周りのチームは『追い越せ！』で勢いがあると思うし、それをいつもチームのメンバーには『引き離さなアカン』と話している。厳しい戦いになると思うので、２週間で詰めて、また一丸となって戦いたいと思います」

◆arco-iris・若林エリ選手インタビュー

－ナイスゲームでした。６点目。ダメ押しでしたね。
若林選手「大事なところで取らないと意味がないので。それは意識して･･･」

－持ったらどんどん勝負を仕掛けている印象でした。
若林選手「自分のプレースタイルは年重ねますけど、出来る限りはこのプレースタイルでやりたい。チームも３年前と違ってみんな歳を取って行く中で、ボール回しが主になってくる。何故ファーストセットで出ていないかというと、状況を見て、自分がするべきことを見てピッチに入れる。今日は仕掛けたほうがSWHの選手も嫌だろうな、と。」

－常にアルコがリードし、SWHが追い上げる展開でした。
若林選手「先制点を取った方が絶対的に勢いはいいと思います。ただSWHは自分たちが思うに、一番手ごわい、一番やりにくい最大のライバルなので･･･。お互いのことを知っていますし、去年までと違って体力面とかもすごく上がってきていて、すごくしんどかった。自分たちが先行しているんですけど、２点差ないと恐いな･･･と常に思っていました」

－最後に引き離せた要因は？
若林選手「セカンドボールを拾えたことかなとすごく感じていて、やっぱり相手もしんどいし、自分たちもしんどいんですけど、セカンドボールを拾えることで、次の攻撃をもう１個できるかできないかで相手のダメージも違うと思うので」

－得点のシーンもそうでしたが、ボールを受けたときにゴレイロと１対１だったり、裏を取れているシーンが多かったが･･･。
若林選手「SWHの選手が自陣に入ってくるので、裏のスペースが空くのはわかっていた。その中で自分たちのスピードも活かせたし、同じ絵を描けていたので、何も喋らなくてもお互い感じていれたと思います」

－関西大会に向けて。
若林選手「２年前、優勝した次の年は関西大会でこけているので、SWH戦よりも厳しい戦いになるかはわかりませんが、SWHのためにも、関西大会も勝たないと。兵庫県代表として恥ずかしくないように戦って来たい」

レポート・写真：北谷仁治