金曜から全日本開幕！フウガのテーマは「スペース」？

２/23(日)に行われた、第14回FUTSAL地域チャンピオンズリーグ決勝戦後、見事に大会５連覇の偉業を達成したフウガすみだ・須賀監督がミックスゾーンで語った言葉です。

―優勝。５連覇。そしてラストとなる地域CLを優勝で締めくくった感想は？

須賀監督「本当に最後の最後まで難しい試合ばかりだった。この大会を勝つのは大変だった。素直に嬉しい」

―去年までの４連覇と違うというか、苦戦もしたと思いますが、大会前の不安は？

須賀監督「不安というのはあまりなくて、この大会は、"地域同士の言い訳できないガチンコバトル"だと思っているので･･･。そういう意味では本当にワクワクしながら待っていた。連覇が途切れるというよりは、毎年代わるメンバーの中で、このメンバーでタイトルを取りたいという思いが強かった」

―第１戦で諸江選手が怪我をしてしまった影響は大きかったと思うのですが、そのカバーは？

須賀監督「ケンゴが怪我することはなかったことで、彼は大きな役割を担っていたので、いつもはなるべく口出しせず、選手に任せるスタイルなのですが･･･、今回は僕が"てこ入れ"しないと難しいかなと思う部分があった。ケンゴはオフ・ザ・ピッチで、コミュニケーションを取ったり、こうしたほうがいいんじゃないか？という話をしてくれる選手だったので･･･。そういう部分は、試合を重ねながら、精度を上げて行きました。

―準決勝のSWH戦と決勝戦、両方とも競った試合になりました。特にSWH戦は大変な試合だったと思いますが、事前の準備、戦略、先行されてからの打開策は？

須賀監督「準備は、エキジビションマッチでやっていたので、そのときの感覚を大事にすることと･･･、ただあくまでエキジビションなので、地域CLではグループリーグでしかやってない。イメージはエキジビションで、強さは今までのグループリーグの強さを想定して試合に入りました」

―攻撃的に行こうだったり、守って入ろうとか、戦い方に関しては？

須賀監督「ケンゴがディフェンスの要なので･･･、もちろん攻撃もですが･･･。ディフェンスは難しくなると思ったので、『みんなで１．２倍のディフェンス意識を持って埋めていこう』と。そこはSWHがどうこうでなく、自分たちの現状を見つめての話ですね」

―リードされて、取り返しに行こうとなった時間帯は？

須賀監督「前半の終盤ですね。２－１にしたかった」

―１点返して、２－１にして･･･。攻めていたが、３－１にされてしまった。３－１になってからは？

須賀監督「３－１でも、２－１でもやることは基本的には変わらないので。相手は変えてくるかもしれなかったですけれど･･･。１点取られずに、１点ずつ返すことしかできないスポーツなので･･･。しっかり１点という意識はあった。劣勢の状況から追い上げる試合をたくさんやってきたアリーナなので、浮き足立っている選手は居なかった」

―SWHは３－１になってから運動量が落ちたように思えたのですが･･･。

須賀監督「３－１になったから落ちたのか、過密日程の中で、疲れが後半になって出たのかわからりませんが、確かに運動量が減ってきたな、というのはありました」

―ゴレイロ３人をベンチ入りさせると必然的に２セットになる。SWHはゴレイロ１人で３セットを組み、過密日程対策をしてきていた。そのあたりは？

須賀監督「(３セットの)予定はあったんですが、ケガ人が２人出て、フィクソが３枚不在になってしまった。優勝してから言いたいと思っていたんですが、フィクソは特別なポジション。関東リーグで色んな状況を想定して、経験を積ませながらやって来ましたが、フィクソの４枚中３枚が居なくなるのは想定していなかったので、そこはかなり気を使いました」

―大会を振り返って、印象深い試合・ゴールは？
うーん･･･(長い沈黙)。やはりSWH戦の･･･宮崎のヘディングですかね。ああいうのは決まりそうでだいたいが決まらない。ああいうゴールをねじ込むあたりが(宮崎の)ステージが上がってきたという印象です」

―SWH戦、前半を０－２で折り返して、見ている人も『フウガが危ないのでは？』と感じる人も居たと思います。一方で、SWHの選手は特に同点に追いつかれてから、『流れを一気に持っていかれた』というコメントを複数人がしていました。そのあたりの流れの持って行き方というか、フウガのベンチのあり方というか、何か言っていることはありますか？

須賀監督「ウチの選手は、負けることをある程度受け入れている選手が多いのかな、と思います。例えばシュートを10本はずしてそれでも勝ってくださいというのは難しい注文。これを外したら勝てないよね？逆にこのチャンスが来たとき決めれば大丈夫。この相手だったら何回くらいチャンスが来るから、そこを決めるか決めないかの勝負になるよね。という話はします。メンタル勝負になったときに、自分たちのメンタルのせいで決まらない、チャンスが決まらない、そういうことが無いように。勝負事なので、勝ち負けを意識して、こういうときは負けるよね。というのを受け入れているからこそ、チャンスが来たときに決められるのかな、と思います」

―初日で諸江選手をケガで欠き、決勝戦は太見選手まで退場。二枚看板とも言える彼らが居なくなっても決めた優勝には価値がある？

須賀監督「ウチのチームは関東リーグでファイルフォックスに最終節負けてしまったり、浦安セグンドに引き分けてしまったり･･･。全勝優勝を期待されていたし、僕自身、それを狙わない手はないと思っていましたが･･･、改めて選手層を厚くすること、控えの選手が切れないでシーズンを送ることを常に忘れずにやってきたつもりです。そこがこういうときに生きてくる。くさってたらチャンスは活かせない。ある程度３セットで回したり･･･。調子をよくない選手を使ったり･･･。それで勝ち星を落とすこともありましたが、間違いなくその経験が活きてくると思います」

―２連覇の時に「時限」をテーマに戦っていたことを聞いたのですが、そこから３回続けて、周りのチームも伸びてくる中で、フウガはそれ以上の進化をしてこそのこの結果だと思いますが、どの点が一番進化したと思いますか？

須賀監督「やはり組織力ですね。ピッチだけでなく、下部組織･･･、子供たちや中学生も含めた環境を整えて。スタッフの充実もはかり、学生スタッフも頑張ってくれ･･･。もちろん、オン・ザ・ピッチでもいろんな取り組みをしましたが、組織が変わったことで、練習一回一回からプレッシャーがあると思います。試合になれば子どもたちが見に来ますし、例えば金川はスクールでコーチをしてますが、『切り替え０秒だ！』と言っている彼が試合で切り替え０秒じゃなかったら『なんだよそれ』ってなると思う。そういう部分も含めて、"見られている"という意識と積み重ねがしっかりと最後に出るのかな、と思います」

―SWHの監督、選手はハーフタイムにフウガが追い上げてくる予感があったと言っていた。同じ様に予感はあった？

須賀監督「ありますね。当然やってて、チャンスがだいたいこれくらい来そうだという感覚は前半でありました。そこをしっかり決めることで逆転できると思っていた。選手の中にもあったと思います。だから特別な指示というよりは、勝敗を受け入れて、勝負事なので、何回も外していたら、何回も決められたらやられて当然。ピンチのときに最高のディフェンスをできるように。そういうところをしっかりやることで、流れをモノにできたのだと思います」

―まだ全日本選手権が残っているので、言える範囲で。フウガは毎年"少しできそうでできないこと"にチャレンジしている。毎年マイナーチェンジをしている。とのことですが、今年のマイナーチェンジはどこですか？

須賀監督「そこに関してはシーズンが終われば話したい。逆に、プレーを見てもらって、『この辺がそうなのかな？』と楽しんでもらえれば？と思います」

―ではそのヒントの意味も込めて。全日本の見どころは？

須賀監督「"スペース"ですね」

レポート・写真：北谷仁治