日本代表候補合宿最終目・ミゲル、村上、小宮山コメント

９/26(水)、テバ・オーシャンアリーナ(愛知県)でのフットサル日本代表候補トレーニングキャンプを終えた、監督・選手コメントです。

◆ミゲル監督コメント

３日間の手応えは？
ミゲル監督「カズ選手が来たことで状況が変わっていることはみんな認識している。フットサル日本代表の活動を知ってもらうチャンスだと思う。今回と来週は期間が短く、テーマとしては、新しく加入する２人の選手が和に入って、チームのやり方に馴染んでもらうこと。今の特別な状況について、選手たちとも話しましたが、早く慣れて、自然なこととして自分たちの取り組みができるように。今回出来たと思うんですけれど、この後もできるようにしたい」

これまでメンバーを固定してきた中で、２人が加入する影響は？
ミゲル監督「チームにとってはプラスになると考えて呼んでいます。２人とも"得点力"という、これまでチームで苦しんできた部分で大きな力を発揮してくれると思う。森岡選手に関してはリーグで活躍をしてきていますし、カズ選手に関してはゴールを決める経験、トータル的にフットボールの経験、リーダーシップを含めて、チームに大きな力を加えてくれると確信しています」

ワールドカップまで１ヶ月ちょいだが、再びフィジカルコーチを呼ぶ予定は？
ミゲル監督「ありません。今回の合宿も参加してもらっている村岡コーチはもともとサッカーの世界で活躍してきた経験あるコーチです。前回スペインからチチョコーチに来てもらったときの目的は、チームの改善とともに、日本人のフットサルのフィジカルコーチを育てていこうという計画でした。その中で(村岡コーチにも)参加してもらい、その方法論を学んでもらいました。これからは村岡コーチに第１号のフットサルフィジカルコーチのスペインメソッドを学んだコーチとして活躍してもらおうと思っています」

アジア選手権前のように、また今後、フィジカルのトレーニングも入ってくる？
ミゲル監督「アジア選手権と同じ流れで、村岡コーチを中心に、そうなっていきます。ただコンディションにばらつきがあるので、同じレベルにまで上げていかないといけません。今回と次回はミニキャンプ。すぐにクラブに戻って違うやり方をすることになるので、メンテナンスぐらいにしか考えていません。16日からのキャンプが本格的なものになります」

初日バスから降りてきたとき、驚いていた表情が印象的でした。
ミゲル監督「状況を聞いてはいたので、驚きはありませんでした。嬉しかった表情です。ただ今回はカズによって注目を浴びているだけで、フットサル単体で注目を浴びているわけではないことは認識しないといけません。日本サッカー界の伝説とも言える選手がフットサルに貢献してくれる、参加してくれる。彼にとってはリスクを犯す必要性もない中で、それでもフットサルを選んでくれている。我々としてはフットサルがお茶の間に入っていく、何百万の方に見てもらう、大きなチャンスです。我々の競技が歴史の１ページを作り上げるひとつの瞬間だと思いますし、我々に課された役割は、フットサルを愛するスポーツの一つに加えてもらえるようにすることだと思っています」

カズ選手については、試合の中での起用法を具体的に考えていますか？
ミゲル監督「アラピヴォのポジションで役割を与えたいと思います。最初からピヴォに入ってしまうとなかなかもらえない。ゲームも膠着してしまいます。アラに加わってビルドアップし、その後、最終的にピヴォに入るというところを理解してもらえれば…。セットプレーもいいシューターですし。
　ただ(カズについては)横浜FCと行き来しないといけないこともあり、16日のキャンプが始まるまで、チームに適応するチャンスがないと思います。宿題は持って帰ってもらいましたので。非常に難しいチャレンジですけれど、日本フットサル全体が勝利をするために、サポーターも、メディアも含めて、リスペクトを持って望まなければいけない。非常に特別な状況でもあると思います。繰り返しになりますが、彼のチャレンジを支えていきたいと思いますし、私にとっても大きなチャレンジです。出場時間の間も彼は貢献してくれると信じています」

個人的には途中離脱にガクッと来てしまったのですが、(途中離脱については)最初から決まっていたことだったのでしょうか？
ミゲル監督「はい。先週からそういう話で進んでいました。まだフィジカルコンタクトができないので、昨日、午前・午後の練習を行うのはまだ無理だったと思います。チームとしての立ち上げのキックオフのところにいてもらうことが大事でした。昨日の午前の実戦形式も彼自身が『やるよ』と言ってくれた。あれも相当リスクを犯してくれています。横浜FCでもフィジカルコンタクトのある練習をやっていなかったのですから。残ったとしても稲葉と一緒に、別メニューになったと思いますし、来週も同じような形になると思います。(横浜FCの)山口監督とも話していますが、まだ調整段階です。ですので、火曜日の午前練習に参加したこと自体をポジティブに捉えています。ただ非常に特殊な状況ではあります。ケガもあるので、そこは徐々に、チームに入ってもらえたら…。16日のキャンプまでは、100%に戻ることはないでしょう。ただビデオセッションもやっていますし、ビデオも持って帰ってもらってますし、来週も繰り返しやっていきます。大事なのは、日本フットサル全体が勝利するためにやっているということです」

◆村上選手コメント

合宿を終えての感想は？
村上選手「新しい選手も入って、コミュニケーションを取る目的があったと思うんですけれど、いつも以上に盛り上がって、雰囲気も固くなることなく入れた。アジア選手権から期間が空いたので、チームのやり方と違うところの確認が必要でしたが、充実したトレーニングができたと思います」

カズ選手が加わりましたが？
「経験値では間違いなく、日本のサッカーを引っ張ってきた人。すごく気さくな人で話しやすい雰囲気を自分からつくってくれた。カズさん自身にもいろんなプレッシャーがあったと思うんですけれど、そういった中で普通にやるには相当なメンタルを持っていないといけないと思う。これからそういうメンタルを(自分も)ワールドカップまでに持てるよう、積極的にコミュニケーションを取っていきたい」

プレーぶりについては？
村上選手「動きに関しては時間がかかると思うけれど、基礎能力や体幹はしっかりしていますし、馴染めればそこからは早いと思う」

途中で離脱してしまいましたが？あれ？と思うようなことはなかった？
村上選手「そこはなんとも言えないですけれど、プロのJリーガーですし、そういうことも出てくると思う。残っているメンバーで、時間もないですし、仕上げていくしかない」

ワールドカップに向けて、個人的なテーマはありますか？
村上選手「厳しいグループでディフェンスの時間が長くなると思う。しっかり守ることが要求されると思うので、自分の役割に徹して、プラスアルファで攻撃にも参加したい」

カズさんの効果もあり、タイにもたくさんのサポーターが駆けつけると思うが？
村上選手「今回もたくさんのメディアに来ていただいたのも初めての経験。このチャンスを逃してはいけない。これからのフットサルの未来を切り開くためにも、僕らがしっかりリーグを突破して、みんなの期待に応えるようにしたい」

◆小宮山選手コメント

カズさんも来て空気もガラッと変わったと思います。
小宮山選手「フットサルはまだまだマイナーなスポーツで、注目されることはいいこと。ただカズさんにずっと注目が集まるのではなく、フットサルに向いてもらうには、僕らが結果や内容で証明していかなければいけないと思います。
　今はただカズさんが来て…、ヤタガラスのついたシャツを着て…、というところでの注目度だと思う。そこだけだとワールドカップが終わったら元に戻ってしまう可能性がある。だからこそワールドカップで結果を出すことが大事。もちろん結果が出なければ批判もされるかもしれませんが、アジア選手権前も(トレーニングマッチに負け続けて)『大丈夫か、ミゲルジャパン』と言われたのを乗り越えてきた。そのときとは注目度は全然違うと思うが、やることは変わらない。これまでもワールドカップでいい結果を残すためにトレーニングしてきて、カオルとカズさんという個のプレーもそうだし、プレー以外にも足りなかったピースが加わっただけだと思う。ベースから崩れちゃうと意味がない。あくまでアジア選手権に優勝した上に乗っけるべきだと思う」

一緒のセットでプレーしてみての感想は？
小宮山選手「フットサルは難しいスポーツだと思う。中でも代表は戦術も細かいし、求められていることも高いので、すごく難しいと思う。初日はリカバリーなのでのけておくと、カズさんがプレーしたのは２日目の午前だけ。まだまだ慣れるのに時間はかかると思う。フットサル用語だけでも『何それ？』というのもあると思う。やりやすい・やりにくいはまだ昨日の時点ではわからない。俺もカオル(森岡)もワタル(北原)も戸惑っていたと思う。『お、一緒のセットだ』って」

組み合わせについて。ブラジル、ポルトガルから勝ち点を取れる可能性はある？
小宮山選手「可能性については監督に聞いてもらいたいところです。どういう戦い方をするかですよね。サッポ(前監督)の時はブラジル、ロシアと戦う時は引いて、それでもあれだけ点を取られた。ミゲルはハーフに引いても押し上げていくディフェンスなので、押し上げていくのか、しつこくマンツーマンで耐えるのか、戦い方で違うと思う。ただ、ここ３～４年で、各国の強豪とは何度もやっているので、あとはワールドカップの舞台でどう戦えるか、だと思います。すごく厳しい試合にはなると思うけれど、勝点を取る可能性はゼロではないと思う。僕らは『上に進みたい』という気持ちが強いので、そのためには組織をもっと充実させる必要があると思います。次の合宿も非常に大事になると思います」

レポート：北谷仁治