大阪が主力温存しながらも、浜松に完勝。Fリーグ７節大阪×浜松

７/14(土)、大阪市中央体育館にて、Fリーグ2012 powered by ウイダーinゼリー第７節、シュライカー大阪×アグレミーナ浜松戦が行われた。

　大阪は５節に名古屋に０－４と完敗したものの、その後にホーム３連戦が待っていた。勢いを取り戻すには格好のスケジュールだ。６節に湘南を破って２戦目は最下位のアグレミーナ浜松を岸和田に迎えた。
　
　最下位とはいえ、前節ではペスカドーラ町田と対戦し、初めて勝点「１」を獲得してきた浜松。しかも終盤までは４－２とリードする、"勝ちゲーム"の展開。最後は町田の懸命のパワープレーに追いつかれてしまったが、ドゥダ監督も「町田とただで引き分けたわけではない。徐々に良くなっている」と浜松を警戒。大阪は「ひとりひとりが100％のパフォーマンスを出すように」と選手に求めて、試合に入った。
　
　大阪は前節に続き、これまでのセカンドセットのメンバー、７.江口、８.永井、14.林、22.佐藤を先発させる。ゴレイロは守護神・イゴール。大阪は村上がケガ、一木が風邪によるコンディション不良で「休むいいタイミング」(ドゥダ監督)と、この日は大事をとって休養。

　２分、「後ろのラインが押し上げず、プレスがうまくいってなかった。ベンチからの指示でも修正がきかなかったので」と、早くもセットを入れ替える大阪。すると 17:41、入ったばかりのヴィニシウスがファーストプレー。中央やや左でパスを受けると反転シュートを決めて、いきなりの先制ゴールを奪う。
　
　新外国人、10.オマーは前線でキープする力を見せたが、大阪のプレスを前に、精度の高いパスが前線に入らない浜松。ディフェンスにしても、オフェンスにしても、決まりごとが無く、選手に任されている状態のようで、つないでる内に、連携ミスや単純なミスでボールを失う展開が目立った。
　
　そんな浜松を尻目に、11:36、大阪はセットプレーから14.林がゴール。キックインから前２枚、後ろ中央に林という三角形から開始。「もう一歩(距離を詰めろ)！」という声が飛んでいたにも関わらず、後方の林へのアプローチが遅れ、林に余裕を持ってミドルシュートを許してしまった。
　
　しかし浜松も 08:22、カウンターから右サイドを破ると、中央への折り返しを10.オマーが決めて、１点を返す。大阪は一木と村上を欠くセットはフィクソが不在。一村や、時にはヴィニシウスが底に入っていたが、このときも３.中田、10.ヴィニシウス、18.本田、30.松宮というセットで、守備のバランスという点では安定感を欠いていた。会見では「大きな問題は無かった」(ドゥダ監督)ということだが、今後はさらに緻密な選手起用に期待したいところだ。
　
　前半は２－１。大阪のリードで折り返し。後半も先制ゴールは大阪・ヴィニシウス。16:32 右サイドからカットインして、左足を振り抜くと、ニア下に、きちんとシュートが飛んでいく。浜松ゴレイロ・山本も反応しきれないコースとスピード。３－１、大阪のリードが広がり、ホーム・大阪には『勝利』の雰囲気が漂う。
　
　12:46 大阪のダメ押しゴール。右サイド、縦に破った14.林が、逆サイドへ折り返し。「浩平さんを信じて走った」という、９.一村が合わせて今季初ゴール。４－１となり、浜松は万事休す。
　
　08:40、９分近くを残し、浜松は19.剣持をゴレイロにパワープレー開始。しかし「３日しか練習していない」(前田監督)、「まだ形も何もない」(22.田中)というパワープレーはボールも人も動きに乏しく、シュートは、外からやむなくミドルを打つのみ。これはイゴールに代わって途中出場の16.宮竹にパントキックでシュートを狙われる羽目となっており、大阪に脅威は与えず。
　
　終了間際、浜松はキックインからのボールがゴールに収まるも、審判は直接入ったとしてゴールを認めず。浜松の選手は「選手に触れた」と抗議するの実らず。４－１で試合は終了した。
　
　
　「いいチーム。必ず良くなる」オマーは言うが、少し浜松は時間がかかりそう。「チーム名に『アグレッシボ(攻撃的)』とあるとおり、攻撃的なフットサルがしたいので、当初はディフェンスの練習をしてこなかった。(町田戦で)なんとか戦える雰囲気になったので、このタイミングで守備に手をつけたい」とは前田監督。パワープレーに関しても「メディアの方や観客の方の方が目が肥えていると思うので、評価はお任せする。自分たちは練習を繰り返していくだけ」とした。まだ攻撃も、ディフェンスも、細かい決まりごとも共通イメージも無いようなので、苦しい状況は続きそう…。Fリーグを戦いながら、チームを"つくっている状態"のように感じた。

　元鹿島アントラーズの５.笠井は「まだまだです。まずは失点をなくすこと。崩されてお手上げというゴールが少なくなっている分、少しずつ良くなってると思う」と振り返る。「今日もいらないミスがなければ２－１だったと思う。そのとき初めて最後の抗議をすればいい。４－１で抗議してる時点で、プロじゃなくてユースみたいだと思う」と苦言を呈した。ピヴォとしては「もう少し出場時間があれば…」としながらも、同じポジションのオマーが来たことで「だいぶ参考になる。練習から教えてくれる。もちろんライバルで競わなければいけないが、お互い切磋琢磨できれば」とコメント。笠井がピヴォで"化ければ"、浜松はまずは強力な２枚看板のピヴォを擁することができそうだが、果たして…。