ミゲル、２時間を越える熱血指導/合宿５日目午後

４/９(月)、テバオーシャンアリーナ(愛知県)で行われているフットサル日本代表候補トレーニングキャンプ５日目。午前はビデオミーティングで、午後はフィジカルとボールを使ったトレーニング。

　ジョギング、ストレッチの後にチチョのアップゲーム。２日目午後にやったサークル状に配置したマーカーの後ろに並んで行き、３人になったところに鬼がタッチできる鬼ごっこ。逃げる側は動き回ることが求められる。ルール変化として今日は、鬼の背中にタッチできたら、無敵になるルール。また途中から黄色のマーカーを３箇所に配置し、黄色マーカーでは２人でもタッチOKに。５～10分ほどで終了。
　
　お次は「決断力・判断力とスピードを同時にあげるトレーニング」として、６人１組３グループに分かれ、１組ずつ挑戦。２色のマーカーを１色は５個、もう１色は６個、チチョがセンターライン付近に、ランダムに配置する。選手たちはスタートまで、配置を見てはいけない。後はビーチフラッグの要領。５個あるマーカーを判断して、またいで立つ。６人で行うので１人余ってしまう。余ってしまった人は腕立て５回。
　最初はうつ伏せの状態から、起き上がって、マイクロラダーをジャンプ往復してから、マーカーにダッシュ。途中から、長座から。また途中から、膝をついた状態からのスタート。各３本ずつ、９本行った。
　
　その後はミゲルのセッションへ。軽くパス交換をして、ボールに馴染んで今日もシュート練習。今日は右サイドからシュートを打ったら、左サイドでディフェンダーをつけて１対１。シュートを打った右サイドの選手は残っておき、ディフェンダーがボールを奪ったら、２対１に移行する。これを、10分ほど行ってゲームへ。
　
　テーマは同じ。ディフェンスの確認。精度を上げること。トレーニングに聞いた話では、「スペインまでは守備をテーマにしていく。トレーニングマッチでもうまく行っていないところがあったので。良い守備ができれば、良い攻撃ができる」(ミゲル)とのことだった。
　今日はセット分けに変化があった。ピンクは小宮山、上澤、小曽戸、逸見、星。白に北原、松宮、木暮、渡邉、稲葉。緑に滝田、原田、村上、仁部屋、完山。セットは固定しないつもりなのか･･･。まだ色んな組合せを試しているところなのか･･･。
　
　今日は合間に第２PKも行われた。キッカーと結果は以下の通り。※跳ね返りのゴールはゴールとカウントしていません。
　稲葉×(枠外)、上澤×(ポスト)、村上×(GKセーブ)、渡邉○、小曽戸×(枠外)、村上○、稲葉×(GKセーブ)、小曽戸×(枠外)、完山×(GKセーブ)、渡邉○、逸見×(GKセーブ)、村上×(枠外)、渡邉×(枠外)、逸見×(GKセーブ)、滝田×(枠外)、北原○、逸見○、完山○、逸見○、村上×(GKセーブ)。以上20本中７ゴール。今日の得点率は「.350」。逸見(.750)が３ゴール。渡邉(.666)が２ゴール。北原は１回蹴って、１ゴール。
　※手集計のため、間違いがあるかもしれません。
　
　今日は序盤はミゲルがゲームを止めることは無かった。しばらくして１度目に止めたのは、３番目の選手の対応について。２－１－１の前２枚の間を通されたところに３枚目の星がボールを奪いに行ったところ。ミゲルの指示は「取りに行っちゃダメ。前２枚が突破されて３対２の状況なので、遅らせて前の２枚が戻る時間をつくること。行くんだったら、ファウルででも止めるしかない」とのこと。
　
　２つ目は、サポートの入り方。左サイドから右サイドへ、渡邉がマイナス気味のパスをして抜けたシーン。残りの２人の味方は渡邉より前に居た場面で、渡邉はディフェンダーの背中を通って間に顔を出そうとした。ミゲルは「味方が全員前に居る状態で、パスを出した選手にプレスがかかったらパスを出すところが無くなってしまう。こういう場合はディフェンダーの背後を回るのではなく、前を通って抜ければ、サポート(パスコース)が無くなることはない」ということ。状況に応じた細かい判断・プレーが求められている。こうしたことが当たり前のようにできてくればより試合を優位に進められるのは間違いないだろう。スペインの強さはこうしたちょっとした"個人戦術"の中にも隠されている。
　
　３つ目は最後尾でプレスにはまってしまったシーン。左から右にディフェンダーの厳しいプレスを受けながらドリブル。(ゴール前に押し込まれた状態で)中央と左サイドに味方が居て、中央の選手にディフェンダーがついていた。そこから中央の選手が左・パラに抜ける。ディフェンダーは残って、右サイドのパスコースを切る対応をした。この時、ボールホルダーはそのまま右サイドに向かってドリブルを続けた。ミゲルのアドバイスは「受け渡しがあって、ディフェンダーがパスラインを切ってしまっているなら、ターンするか、短いパラでプレス回避しよう」。
　
　最後、４つ目は右サイドに出すか、左サイドに出すか。木暮が中央でボールを保持。左サイドに首を振った後、右サイドに展開。左には稲葉、右には北原が居た。ミゲルは「北原もいい選手だが、左にドリブルが得意な稲葉がいい状態で待っている。そこを確認したのなら、稲葉を使おう」。"味方の特徴を活かせ"今回の合宿で、重点的にアドバイスされている点だ。仁部屋、小曽戸、稲葉。ドリブルが得意な選手の仕掛けが一つ、日本の攻撃のスイッチとなっている。
　
　終盤では４対３(ファウルで１人少なくなった状況を想定？)の練習も行われ、攻撃側の動きと狙いどころ。守備側にはシュートの弱い選手に打たせる守り方、両サイドともにシュートが強ければ利き足のシュートコースを消す守り方がレクチャーされた。17時過ぎにスタートした午後のセッションは、実に２時間を越え、時間が許す中で納得行くまで続けられた。
　
　なお、ゲームは切り替えも意識して「カウンターあり」で行われていたが、カウンターの応酬となる場面や、キーパースローが繋がらなかったときはすぐにゲームが切られ、グループの交代が行われた。「フィジカルトレーニング中なので、(フィジカルトレーナーの)チチョ、村岡コーチと相談して」選手たちに負荷をかけ過ぎないようにしているそうだ。