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2009/02/13 01:07:17 Praia Grande、XEBRAを降して初優勝/ジュビロ杯レポート
静岡県下の主要チームがずらりと顔を揃える毎年恒例の「ジュビロカップ」。関東のファンに説明するなら、年度末を締めくくる「都カップ」の静岡版、といったところだろうか。今年は同日に東部支部のリーグ戦が開催されていた関係でIKAI FUTSALがエントリーしていなかったのは残念だったが、東海１部、２部、県リーグの強豪が一堂に集まり、『静岡ナンバーワン』の称号を目指し２月７日、８日の２日間にわたって激闘を繰り広げた。
36チームがエントリーした今大会。優勝するためには２日間で予選リーグ、決勝リーグ、準決勝、決勝の６試合をこなさなければならない。アリーナを３等分したコートの狭さや、ランニング13分ハーフ（予選リーグ）という時間の短さもあり、初日から番狂わせが相次ぎ、東海１部のマト・グロッソ、県１部全勝優勝のEstrelado/いちまるスポーツヴィラ焼津フットサル倶楽部が姿を消した。 決勝に進出したXEBRA SHIZUOKA（以下、ZEBRA）とPraia Grande（以下、Praia）も例外ではなかった。XEBRAは準決勝進出をかけた決勝ラウンドで、東海２部のジュビロ磐田FC、県２部のBEN futsal clubに大いに苦しめられた。Praiaは初日から西部支部（県２部の下のカテゴリー）所属のチームに２点のビハインド。逆転したものの、続くゲームでも３対２、２日目も１点差ゲームを際どく勝利して勝ち上がってきた。結果的には東海リーグ１部の１位２位が勝ち上がったわけだが、カテゴリーの違いなどないも同然といった今大会の様相は、群雄割拠の静岡フットサル界をよく表していた。 
苦しい戦いを勝ち抜いて決勝までたどり着いたPraia 
フィールドはほぼ５人で回すXEBRA。元Ｊリーガーの横山拓也も公式戦初出場した Praiaは前週末、ほぼ手中に収めていた東海リーグ１部優勝というタイトルを、XEBRAに奪われている。全日本選手権も県予選で敗れており、これが今季最後の公式戦となる。東海の盟主Praiaが無冠で終わるわけにはいかない。是が非でも勝ってタイトルを手中に収めたいところだ。しかもXEBRAは今季リーグ戦で２連敗している相手。最後の最後に一矢報いるチャンスが巡ってきた。もう、勝つしかない。 試合開始。勝利への強い気持ちをプレーで表現するPraiaが、ゲームの主導権を握る。６分に７.関根達馬からのパスを８.中澤晋平が合わせて先制すると、９分には関根とのワンツーから19.松本行令が、10分には２.増田義雄が決めて、あっという間に３対０。XEBRAはFPをほぼ５人の選手で回しており、疲労の蓄積からかなかなか良い形を作れないまま前半を終える。 
前半10分、Praiaは増田が３点目。この時点では楽なゲームになるかと思われたが 流れを変えたいXEBRAは後半開始から８.小池良平をゴレイロに据えてパワープレーを開始。これが奏功し19分、10.渡井博之が右から出したパスをファーの７.剣持貴光が合わせてまず１点。20分には５.井出健身が決めて１点差。Praiaは中澤が退場処分を食らい、一機に旗色が悪くなる。数的有利のXEBRAは26分、今大会大活躍の渡井が同点ゴールを決める。「選手の数が足りないので、できるだけ早く試合を終わらせたかった」（ルイス・フェルナンド・バホス監督）というXEBRAは、同点の局面でもリスクを負ってパワープレーを続行。だがPraiaもここはしのぎ切り、勝負は５分ハーフの延長戦に持ち越される。 
XEBRAは後半開始からパワープレー開始。小池の鋭いパスがPraiaの守備を切り裂いた 追いつ追われつのゲームに場内がヒートアップする中、延長前半がキックオフ。今度はPraiaがパワープレーを仕掛ける。ゴレイロは関根。「相手のパワープレーにひるんでばかりではなく、ポジティブに意識を切り替えたかった」（渡邉純選手兼監督）Praiaだったが、４点目をモノにしたのはXEBRAの方だった。ボールをキャッチしたゴレイロ?鈴木陽太のパントキックが、見事にPraiaゴールをとらえ、ついにXEBRAがこの試合初めてリードを奪う。 
延長に入ると今度はPraiaがパワープレー開始。いったんは勝ち越しゴールを許すが… だが「同じチーム（XEBRA）に負けぐせがつくのは嫌だった」（渡邉）というPraiaもあきらめない。33分、ゴレイロの関根から中央の10.奥山保司に縦パスが入ると、奥山→左の３.草場大介→右ファーの渡邉というダイレクトプレーで同点。さらにその1分後、なんとまったく同じパターンで逆転ゴールが生まれる。XEBRAはさすがに足が止まってしまい、流れを引き戻せない。パワープレーの応酬。そして無人のXEBRAゴールに次々ロングボールが叩き込まれる。タイムアップ。勝負は７対４で決した。 
Praiaは奥山を筆頭に気合いの入ったディフェンス。苦手XEBRAから勝利をもぎ取った 「タイトルに恵まれていなかったので非常にうれしい」（渡邉）。「けが人も多く、なかなか結果が出なかった今シーズン。最後に勝てたことは大きい」（奥山）。Praiaの選手たちは、こちらの想像を上回るほどの歓喜に包まれていた。MVPにはPraiaの松本行令が選出された。 
今季初タイトルのPraia。今季限りでチームを離れる松本を中心に記念撮影 ●Praia Grande渡邉純選手兼監督コメント みんなで勝ち取ったタイトル。言うことないです。パワープレーからの２点は草場からいいボールが来てたまたま入っただけ。練習ではあまりやっていません。（今年は少し不本意なシーズンだった？）新しい選手も入ってトライを繰り返してきた。当然いいリアクションも悪いリアクションもあります。それを全員で受け止めて１年やってきた。なんら悪いことはないと思っています。また来季も挑戦です。相手に脅威を与るプレス、そして心理的にポジティブな状態を保ち続ける。そういうPraiaのフットサルを続けていきたいです。 ●Praia Grande奥山保司選手コメント 最後のタイトルを取るチャンスをものにできて嬉しい。今年はけが人が多く、全員揃って試合ができず、全日本にしてもリーグにしても結果が出ませんでした。しかもXEBRAには４試合連続で負けていた。今日の決勝でその借りを少しでも返すことができて正直うれしいです。（個人的には）今年は腰痛がずっと続いて足首も骨折してしまい、チームに迷惑をかけた。年明けからやっと体を動かせるようになってきたところです。それだけに今日はチームのために、という気持ちが強かった。 ●Praia Grande松本行令選手コメント MVPの感想…。特に良かったところはなかったと思うんですけれどね（笑）。パス、パスになりがちだったので、ボールをカットした後はスペースに抜けていくことを意識してました。実はPraiaでプレーするのは今日が最後なんです。そういう意味でもタイトルに貢献できてうれしい。 ●XEBRA SHIZUOKAルイス・フェルナンド・バホス監督 （パワープレーは珍しい？）ゲームでやっていることはすべて練習でやっています。練習でやれないことはゲームではやれない。（次は地域チャンピオンズリーグだが？）東海リーグの最終節に照準を合わせてコンディションを上げてきました。そこから落ちてきているときにジュビロカップを迎えた。これから来月に向けて上げていかなくてはなりません。Ｆリーグのチームと練習試合も予定していますし、３月までにもっと良いチームになると思います。 【試合結果】※８日のみ ●決勝リーグ Praia Grande 3-0 STINGER 田原フットサルクラブ 0-0 KAIDO FC IB.EMERSON FC 2-0 ARTISTA ジュビロ磐田FC 1-0 BEN futsal club Praia Grande 1-0 Hero Futsal club 田原フットサルクラブ 2-5 大和撫子/VIORA藤枝 IB.EMERSON FC 1-1 SOLA MAGIA ジュビロ磐田 FC 0-0 XEBRA SHIZUOKA STINGER 1-3 Hero Futsal club KAIDO FC 0-3 大和撫子/VIORA藤枝 ARTISTA 3-2 SOLA MAGIA BEN futsal club 1-2 XEBRA SHIZUOKA ●準決勝 Praia Grande 3-2大和撫子/VIORA藤枝 IB.EMERSON FC 0-3 XEBRA SHIZUOKA ●決勝 Praia Grande 延長7-4 XEBRA SHIZUOKA 【写真説明】 
今大会でも勝負強さを見せたXEBRA渡井博之。決勝では３対３となる同点ゴールを決めた 
持ち前の攻撃力は影を潜めていたIB.EMERSONだが、しぶとく４強に勝ち残った 
今大会最大の驚きだった大和撫子/VIORA藤枝。鋭いカウンターと決定力の高さで、県２部所属ながら準決勝まで勝ち上がった。 レポート・写真：橋爪 充
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