強い！名古屋が完封勝利/Fリーグ17節レポート

力の差は歴然としていた。神戸が完封負けをしたのは１巡目の浦安戦以来だ。そして、神戸にとってはリーグの中でも失点の少ない２ndセットで先制点を許したことが痛かった。前半から原田浩平が完全に抑えられていたことや、後半にミスが増えたことで苦戦をした。だが、それらの問題を除いたとしても名古屋が上手だった。１ｓｔセットでは木暮賢一郎が細かいテクニックでブルノや原田のパスコースを消すと、２ndセットでは須藤慎一や岸田健太郎のサイド攻撃が抑えられ、名古屋がボールを奪うとボラのシュートが何度も決定機を生みだした。神戸は、少ないチャンスを活かせず完敗した。

立ち上がりは神戸が好機をつくった。伊藤雅範を起点に比嘉がシュートを放ち先制点を狙う。だが、５分を過ぎる頃には試合は名古屋ペースとなった。８分、名古屋の上澤貴憲のシュートをゴレイロの村山竜三が弾くと、こぼれたボールに詰めた森岡薫が押し込み先制する。神戸は原田が厳しいマークの中、ブルノを活かそうとするが噛み合わずに攻撃のリズムをつかむことができない。
一方、冷静な試合運びから追加点を狙う名古屋は、１４分に木暮が右サイドをフリーの状態で上がりシュートを放つ。ボールは美しい弧を描きゴールへと吸い込まれていった。２－０と名古屋のリードで前半を終える。

後半は立ち上がりから名古屋が試合の流れをつかむ。２８分、FKを得た名古屋は森岡が決め３－０とリードを広げる。このまま勢いに乗り追加点を挙げたい名古屋だったが、マルキーニョスが須藤に対するファールで退場になると、一転して数的不利に陥る。このチャンスに得点を挙げたい神戸だが、FPが３人となり引いた名古屋に対して崩しきることができず、無得点のまま２分が経過した。耐えた名古屋は徹底した守備に加え、攻撃面でもスペースを使いコンパクトにボールを回していく。神戸はミスが目立ち始めると好機をつくり出せないまま時間が経過。打つ術がなく３－０と完敗だった。

試合後、「名古屋との力の差はある」と神戸の泰澤監督。原田が自由に動けずにボールの収まりどころを失ったこと、それに対するフォローが少なかったことで得点のチャンスを活かせなかった。前回の対戦では、神戸が名古屋の守備の小さな連携ミスを突いて同点にした。だが、この試合では名古屋が課題を修正したことで攻守において安定した試合を展開した。「ほぼベストな内容の試合だった」（北原）という言葉からも、チームの意識統一ができた内容だった。

レポート・福原まりこ
写真・田代由美子

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