軍配は湘南に。今季初勝利を飾る/Fリーグ14節レポート

　今シーズン、未だ勝ち星のない花巻、湘南。この試合で勝利したチームが初白星を飾るというだけあり、両チームともに気持ちの入った試合となった。２－１と湘南がリードした後半。花巻がパワープレーから怒濤の攻撃で湘南ゴールに襲い掛かるも湘南が死守。守りきった湘南が辛勝し、今季初の勝ち点３を挙げた。

　前半は立ち上がりから、花巻、湘南ともに中途半端な攻撃が目立った。両チームともに決定機をつくれないまま、時間が経過する。停滞していた前半だったが、１８分に湘南が前線へとボールをつなげると三井健からのパスに合わせた豊島明が押し込み先制。１－０と湘南リードで前半を折り返す。
　後半に入ると花巻がボールを支配する時間が増え、水上玄太や井上陽などがシュートを放つが、ポジショニングが曖昧で次の攻撃への切り替えが遅く、好機をつくりだすことができない。また、シュート数は後半だけでも花巻が１０本も上回っているのにも関わらず、得点できないことからも決定力に欠けることは否めない。
　花巻が得点を決めきれない中、２９分に湘南が好機をつくる。江藤正博がパスカットからボールを奪うと待望の追加点を挙げ２－０と湘南がリードを広げる。しかし、直後に花巻の水上に対するファールから、湘南のシニーニャがこの日２枚目のイエローカードをもらい退場となると、湘南は一転して不利な状況に陥る。このチャンスを逃さなかった花巻の水上が得点を挙げ２－１。まだ、逆転の可能性が十分にある花巻は、塩澤昴をパワープレーで投入すると猛攻激で湘南ゴールに襲い掛かる。だが、最後まで決定力不足が響いた花巻は同点に追い付くことができず、試合終了の笛とともに選手はその場に崩れ落ちた。
　花巻は、今までにない一体感を持って試合を進めていただけに「湘南よりも攻めていた。それだけに、このような試合を落とすのはもったいない。」と試合後、花巻のパコ監督は悔やんだ。一方、「セットを分けて、４０分間を戦えるように改善した。勝利を目指して諦めなかった選手たちを誇りに思う」と湘南の小野直樹監督は語った。最後は５人全員で守りきり、今季初勝利をもぎ取った湘南。｢次節の名古屋戦も勝利で飾りたい｣と小野監督と選手たちは笑顔で富山を後にした。

レポート・福原まりこ

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