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2008/10/10 03:51:20

大国と発展途上国/日本×ロシア戦レポート


 ブラジルに敗れたものの、ソロモン、キューバ戦を連勝。日本は1次リーグ最終戦に、2次リーグ進出の可能性を残し、ロシア戦を迎えた。

 ロシアは強い。日本にとっては、「もう一度、ブラジルと対戦するくらい」と言っても言い過ぎではない相手。そんな相手から日本が勝点「3」をもぎ取って2次リーグに進出するには、個人的には、ロースコアのゲームに持ち込むことが必要条件だと思っていた。

 しかしロシアのゴールは前半4分、早々と生まれた。

 7.プーラが13.稲田をドリブルで揺さぶったところから、日本の守備が綻ぶ。プーラが右に振って、4.プルドニコフが右斜め前、コーナー付近の10.マエフスキーにダイレクトではたいてゴール前に走り込む。受けたプルドニコフがマエフスキーに戻し、マエフスキーがゴールに蹴り入れた。守備を崩されながらも4人が懸命にボールに食い下がった日本だったが、ダイレクトパスを交えたロシアの正確でスピードのある攻撃力が上回った。

 早い段階の失点で、日本は苦しい状況に陥る。

 ロシアの追加点は8分、14.ハマディエフがゴール正面から、グラウンダーのミドルシュートを叩き込む。セットプレーからの失点。右からのコーナーキックを受けた、2.シャヤフメトフがチョンと横に流したボールにハマディエフが走り込み、右足を振り抜いた。サッポが「注意していたセットプレーからも失点してしまった」と語ったが、予備動作もあり、スピードもキレも技術ある(ブラジルや)ロシアのセットプレーを、日本はなかなか食い止めることができなかった。

 10分にはカウンターから14.ハマディエフが抜け出し、3点目。13.稲田が懸命に戻って体を寄せたが、ハマディエフの重心はぶれず、1.川原との1対1も冷静に制した。(股下を通したようだ)

 日本は6.小曽戸の隙をついたミドルシュート(ゴール右にそれた)などもあったが、ロシアの堅い守備の前に決定機らしいチャンスも作れず。前半で3点のリードを奪われ、ハーフタイムを迎えた。


 後半は「ロシアのスピードに、こちらもスピード(のあるセット)で対応しようとした」と、サッポは6.小曽戸、7.金山、10.木暮、11.稲葉という"超攻撃的"セットで挑んだが、これが裏目。
 開始23秒、4.プルドニコフに2度浮かされて、ボールを左サイドの14.ハマディエフにつながれると、ハマディエフは出てきた川原をナナメ後ろ、中方向にかわしてシュート。これが決まって4−0となり、大勢が決してしまった・・・。
 「後半少し様子を見る予定だったが、4失点目を早い段階で奪われてしまった」(5.比嘉)ことで、サッポは後半開始1分8秒という"超速"でタイムアウトを取り、比嘉をキーパーに入れてのパワープレーを始める。しかしこれも完全に裏目。パワープレーの裏などから5失点を相手に与えてしまう。

 ロシア7点目(23分)は、10.マエフスキーが、右サイド、川原にコースを消されながらも"ここしかない"というコースを射抜くと、ボールは逆サイドのポスト内側に当たり、ゴールに決まったもの。

 日本は25分、ペナルティエリア内でシュートに行こうとした10.木暮が倒され、PKを得るが、キッカー13.稲田のシュートは、ロシアキーパー12.ズエフが長い左足を伸ばしてブロック。

 26分、パワープレーから、中央5.比嘉が左に出したボールを、8.藤井が右サイド、ゴール前へシュートパス。これに7.金山がスライディングで飛び込んで、1点を返したが、日本の得点はこの1点のみとなった。

 ロシア8点目(29分)はワンタッチ目で、8.藤井を縦にかわした4.プルドニコフが、カバーに出てきた川原も、右足裏でなめて、あっという間に外側にかわし、無人のゴールに流し込む、(敵ながら)完璧なゴールだった。
 38分にもカウンターから、左サイド・2.シャヤフメトフが決めて、9−1。2次リーグ進出を"夢みた"日本であったが、大国・ロシアによって、無残なまでに"現実"を突きつけられて、日本のワールドカップは終戦となった。


 試合後、木暮選手が語ったとおり。「ソロモンとキューバ、ブラジルとロシアの試合は全く別物」であった。
 ソロモンとキューバという格下の相手に対して、きっちり勝点6をあげたことは、(予選を勝ち抜いての)初出場となった、前回の世界選手権に比べて、大きな前進と言えるだろう。
 しかしブラジルとロシアに対して日本は、ほぼ"何もさせてもらえず"に試合を終えた。そこで得たものは、"ワールドカップという舞台で、本気のブラジル、ロシアと対戦できたこと"だけだと言うのは、皮肉が強いだろうか。しかしロシアはそれほど強く、ブラジルはまたそれを上回る強さだった。こういったフットサル大国と、日本はまともに戦える日が来るのだろうか?

 大会を終えて、サッポ監督はじめ、選手の多くから聞こえてきた意見は『4年間を見据えた、継続的な代表強化』を求める声であった。「大きな大会前だけ集まって、大会に挑むようでは厳しい」精一杯戦った、監督と選手の実感、心からの訴えである。これにはメディア側も同調して、改善を求めたい。
 イランやタイを見ればわかる。アジア選手権後も"動いていた"国と、"止まっていた"国のチーム力、ワールドカップで戦える体制には、明らかに"違い"が見てとれた。今後も同じような取り組み方であれば、タイのみならず、中国に、ウズベキスタンに、キルギスタンに、日本は次々と後塵を浴びることになってしまうだろう。

 選手たちからは、フィジカルや体格の問題よりも、「フットサルの"インテリジェンス"を上げることが課題」という声が聞かれた。"インテリジェンス"という言葉に集約させてもらったが、それは状況判断力であり、プレーの選択であり、相手の裏をかくプレーだ。ブラジルやロシアの選手は、局面局面で、『いま何が必要か?』を正確に把握し、実行する力がある。日本は代表に選ばれる選手だけでなく、そこを目指す選手や支えるスタッフ、メディアも含めて、世界基準の『フットサル』を知ることが、その第一歩となるのかもしれない。そして幸いにも今回、ボクたちは、ブラジル、ロシアといった強国との対戦で、それを実体験、あるいは垣間見ることができた。日本はフットサルではまだまだ『発展途上国』だ。ロシア、またその上にブラジル、スペインがいる。道のりは長いが、挑戦していく楽しみは続く―。


※後ほど、写真も追加予定です。


レポート:北谷 仁治





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