ドリーム、神戸、お互い笑顔のないドロー/関西リーグ５節

　神戸とドリームが点の奪い合いの上、ドロー。上位浮上のキッカケが欲しかった両者。勝点１では、お互いに笑顔が無かった。

　先制したのはドリーム。４分、中央から右前の13.岸本に渡り、岸本がゴールラインと平行、左サイドに出したボールを18.中野がフリー、ダイレクトで決めて、１－０。

　神戸は７分、11.森がフリーキックを直接決めて、１－１。シュートはもちろん良かったが、妙にあっさり決まってしまった。ドリームの壁のつくり方に問題はなかったのだろうか･･･。

　神戸は13分、９.水口からのボールを11.森のボレーはサイドネット。ドリームは14分、左サイドの５.松田のボールを18.中野がゴール前、チョンと合わせたが、枠を外れる。

　前半18分、ドリームにとっては勝敗を左右しかねない、痛手を負う。18.中野が後ろからのチャージで一発退場。これでドリームは攻撃の核、得点源を欠いて戦うことになってしまった。神戸は19分、ドリームのフィールドがひとり少ない内に、11.大下が浮かせてキーパーをかわす、技ありのシュートで、２－１と逆転に成功して、前半を折返す。

　いつもどおり、粘るドリームは24分、ゴールスローを受けた10.坂口が決めて、２－２の同点に。さらに28分には、右の５.松田、７.久川とつないで、久川がグラウンダーのシュートを決めて、３－２と逆転に成功する。

　神戸は29分、７.大下がドリブルで右に流れて、シュートを狙うが、左にそれる。30分にも７.大下が２連続でシュートを放つがゴールならず。31分、９.水口のシュートは、ドリームゴレイロ21.八木がファインセーブ。左キックインから、７.大下のシュートはバーを叩く。

　神戸は34分にまたもフリーキックからゴールを奪う。右サイドからのフリーキック。11.森が左に大きく流したボールを16.久保が決めて、３－３。神戸が試合を振り出しに戻す。

　34分には神戸の16.久保、35分にはドリームの14.久保が強烈なシュート、36分には神戸３.多鹿がゴレイロの前で触れてシュートを狙うが、お互いのゴレイロのファインセーブにあい、追加点を上げられない。37分、ドリーム13.岸本の反転シュートも、神戸ゴレイロ17.谷がセーブ。

　再び均衡が破れたのは38分、ドリームは中央５.松田から、右前の13.岸本にパスを通して、岸本がゴール左にシュートを決める。４－３。残り２分弱で、ドリームが再び勝ち越しゴールを奪った。

　しかしそのちょうど１分後、神戸は左サイドからゴール前のボールを３.多鹿が押し込んで、４－４の同点弾。試合はこのまま引き分けに終わった。

　「仕事などで練習もロクに参加できず、チームに迷惑をかけていたので、(同点ゴールを決めれて)良かった」とは試合を引き分けに持ち込んだ神戸３.多鹿。それでも「逆転できなかったのが残念」と悔しそうな表情を浮かべる。
　フットサルを本格的に始めてまだ１年半というが、前所属の芦屋グリースでは、中尾監督(AFC神戸の監督と兼任。芦屋グリースの試合にも全て顔を出していたと言う)の元で、フットサルのイロハを叩き込まれている。先に関西リーグに上がっていた11.森も含め、７.大下、13.伊藤、そして３.多鹿といった芦屋組が、しっかり１年目の関西リーグでも堂々と渡り合っている。「独特の雰囲気はあるけれど、実力を出せればやれると、みんな感じている」と自信を見せている。
　１節、２節を取りこぼすように敗れたことで、中尾元監督にも「若いねんから、波に乗せな、どーすんねん」と言われたという。過去の試合の勝ち星は戻ってこないが、前監督の言葉どおり、どこかで波に乗らないと、苦しい戦い(降格争い)が待っている。

　一方「勝ったと思った」とはドリーム主将13.岸本。「守りきれないのは、毎回のこと･･･」とチームの現状に目を向ける。前節のフュンフ戦でも先に奪ったリードを保てなかった。「全面プレスをかけたかったけど、走れる人が少なくて、できなかった」と振り返る。
　この日の試合に関しては「中野くんの退場が痛い。点も取れる選手。次のカンカン戦も苦しくなる」と、主力の18.中野選手の退場を悔やむ。「チームの状況自体はいいので、体力つくりをして、走り勝つ、競り勝つようにしたい」と今後のテーマを上げた。
　「ファーストとセカンド(セット)の差がある。年齢を重ねてるのに、冷静な判断、いやらしいプレーができていない」とは５.松田。「今は何か高度な戦術をやってもダメだと思う。切り替えを速くする、１対１に負けない、シュートを枠に飛ばす･･･、単純なこと、止めて蹴る、基本技術から上げないと。『いまさら(個人技術は)上がらない』という(精神的な)部分から変えていかないと、このチームは変わらないと思う」と苦言を呈した。