岡山旋風吹くか！？C.R.F IDEAL快勝！/中国リーグ１節

　遅くなってしまいましたが、７/27(日)に開幕した、中国フットサルリーグ、第２試合目のレポートです。
　
　第２試合目は去年、３強の一角「SAファイターズ」を上回り、３位に食い込んだ岡山の『C.R.F IDEAL』(以下、IDEAL)と、昨年５位の『浜田FutsalClub HNT/どんちっち』(以下、HNT)の戦い。

　HNTは、浜田市那賀郡の教職員の福利厚生の一環から集まった教職員チームというユニークなチーム。HNTの「H」は浜田市、「N」は那賀郡、そして「T」は教職員を表す「teachers」の頭文字だ。教職員だけでチームを構成することが難しくなり、現在は教え子がメンバー入りしたり、全日本ユース(U-15)フットサル大会島根県大会をメンバーが指導する「浜田三中」が優勝するなど、自分たちが楽しむだけではなく、教員チームらしく、後世への普及、指導でもがんばっている。

　一方のIDEALは、初めて全国選抜の中国代表の座を勝ち取った岡山県選抜20名中、10名を抱えるチーム。一部には早くも岡山が「全国選抜、全日本選手権、地域チャンピオンズリーグ」の全てのタイトルを取ってしまうのではないかという予測も立っている。これまでの中国リーグの『３強』という図式を、今年、IDEALがどこまで"破壊"してしまうかにも注目したい。

　試合は、IDEALが８－２でHNTに快勝した。

　先制は８分にIDEAL４.森永。ゴレイロが飛び出してきたところを、落ち着いて決めたゴール。９分には９.柴田がドリブルで持ち込み、ゴレイロもかわして、２－０。
　
　13分には右の10.頼経から左の12.佐野とつないで、３－０。HNTもロングボールなどからチャンスを伺うが、IDEALゴレイロ１.北川に阻まれ、ゴールが奪えない。

　17分、IDEALはHNT６つめのファウルで得た第２PKは９.柴田が左に外してしまうも、18分、その９.柴田が左に流したボールを３.吉田が決めて、４－０。

　全国選抜の活躍で『岡山の怪物』と称された９.柴田の活躍。この日も懐の深いキープ力を見せ、前線で相手の脅威となり続けた。この日はパスのタイミングとコースに少し粗さが目立ち、ボールを失う場面も多かったが、パサーとしての能力も磨かれてくれば、末恐ろしい選手になりそうなスケール感に溢れている。柴田の活躍もあり、IDEALが前半で４－０と、大きなリードを奪う。

　後半の立ち上がり22分、HNTはコーナーキックのこぼれ球を８.沖野が狙うがバーに当たるなど、HNTは相変わらずチャンスがゴールに結びつかない。こうなるとIDEALの守備を崩しきれず、守備網の外、遠目からの(無理目な)シュートも目立ってくる。

　一方のIDEALは32分に、中央からのパスを受けた９.柴田がゴール左上に突き刺し、５－０。試合は一方的な展開に。

　HNTは34分、カウンターから、左サイド15.小野川が折り返したボールを７.宇津巻がファーでフリーで合わせてようやく１点を返す。さらに35分、HNTは左サイドからのコーナーキック、後方に戻したボールをまたも７.宇津巻がミドルで決めて、２点を連取。２－５、３点差まで追い上げたが、HNTのリズムになったのはココだけだった。

　38分、IDEALは左14.福森、右６.箱崎とつないでゴール。39分には左サイド、ゴレイロが飛び出したところで、３.吉田が中へ折り返し、４.森永が決めて、７－２。さらに残り７秒にも、３.吉田も追加点を上げる。

　IDEALが前半を４－０、後半も先手を取り、終盤にも得点を重ねる磐石の試合運びで、初戦を大勝した。

　文句のない内容に見えたが、IDEALキャプテン９.柴田は「最悪。走れてない」と一蹴。２失点についても「集中力が切れた」と振り返る。目指すフットサルとしては「組織的に回そうという意識がある」としながらも「今日はそれができずに、個人で行ってしまった」と反省しきり。鋭かったカウンターについては「それは(IDEALの)ひとつの武器」としながらも「上に上がったらそれだけでは勝てないと思う」と、更なるステップアップを目指すことを誓う。
　次節は開幕ゲームで広島F・DOを破った、SAファイターズとの対戦。「去年は追い上げられたけど逃げ切って、１点差で、ギリギリで勝った」相手。「今年はちゃんとした形で勝ちたい」とリベンジを返り討つ構え。

　一方のHNTは「やろうとしていたことはできた。課題が見えた」と長本監督。東京で行われたスペインリーグ・ミキ監督の指導者講習にも参加し、ハイプレスなどを取り入れつつある。「２点まで返した後は、息切れしてしまった」とし、終盤の３失点についても「去年までは前半、後半の途中でああいう(崩れる)時間帯があったので」と、終盤まで持ったことをまずは前向きに捉えていた。前プレに関しても「仕掛けたときは、五分五分にできた」と手ごたえを掴んだ様子。今季から郷土芸能の「どんちっち」をチーム名に入れ、より"地域密着"を目指し活動すると言うHNT。チームとして、ゆっくりかもしれないが、確実に前進しているようだ。