原田２ゴール！神戸が関西ダービー制す/Fリーグ３節

　５分に16.須藤、７分に８.フランキ、11分に７.原田が決めて、３－０。
　昨年は神戸の２勝１分ながら、２勝ともに１点差。拮抗した争いを見せていた大阪と神戸だが、この日は神戸が一方的にリードを広げる思わぬ展開となった。

　「試合の入り方がまずかった」と大阪・アドリアーノ監督が悔み、「いい形で試合に入れた」と神戸・鈴木監督は喜んだ。
　アドリアーノ監督によれば後手に回ったことで「プランが狂った」とのことなので、３点のリードを奪われた時点で、試合の行方はほぼ決まってしまっていたのかもしれない。

　ホームゲームを重視してか「アップから、かなり上げていた」ことが神戸が序盤にペースを掴めた要因と見るのは、Fリーグ通算555ゴール目を記録した、16.須藤。「前半に勝負をかけた」と、試合が神戸の狙い通りに行ったことを強調する。

　３点までの内、２点はカウンターから。この日２得点の７.原田は「前節の浦安戦で速攻を決めきれずに負けてしまったので、今週は速攻の練習をしていた」ことを３－０とリードを広げれた理由にあげる。

　試合はどちらが一方的に押し込むこともなく、立ち上がりから一進一退で進んでいた。

　ゲームが動いたのは５分、シュライカーゴレイロ12.藤原が４秒ファウルを取られて、ペナルティエリアのライン上からの間接フリーキック。セットプレー要員でピンポイント出場した20.田中が横に流したボールを16.須藤がダイレクトで決めて、１－０、神戸が先制点を奪う。

　さらに神戸はカウンターから、前線へのロビングをシュライカー18.鈴木がオーバーヘッドでクリアしたボールを拾って、中央４.山元、左16.須藤、右８.フランキと神戸らしく、キレイにダイレクトでつないだゴール。数的有利の状態を見逃さず、時間をかけない攻撃。16.須藤も強引に行けば打てたが、マークがずれていた(足りない)こともあり、もうひとつパスを入れたことで、逆サイドに走り込んだフランキはフリーで、確実にゴールに流し込めた。

　シュライカー大阪は10分にタイムアウトを取るが、流れは大きく変わらない。11分、神戸はまたもカウンターから、最後は７.原田が決めて、３－０とリードを３点差に広げる。

　しかし神戸は「ポンポンポンと点が取れたけど、その後。いつものように相手に合わせてしまった」と鈴木監督が振り返ったように、この後シュライカーに２点を返され、２－３まで追い上げられてしまう。

　17分、左サイドで３.吉成が粘り強くキープして放ったシュート、２.村山がはじいたボールを、逆サイドから詰めた10.岸本が押し込んで、１－３。18分にも、右サイドからのキックイン、シュライカーがリスタートを早くしたために、神戸の対応が遅れてしまったか？18.鈴木が決めて、２－３と大阪が追い上げる。やはり関西ダービーは常にこういった展開になる。去年はセントラルで、神戸が４－０としてから、大阪がパワープレーで４－４と追いつき、さらに５－４と逆転。しかし残り１秒のコーナーキックを決められ、５－５で終わるという派手なゲームを演じた。

　しかし大阪の反撃ムードの中、１点のリードを守りきって前半を凌いだのは大きかっただろう。大阪キャプテン10.岸本も「もう１点入っていれば･･･」と悔しがる。大阪は攻撃では「状況に応じてはサイドでの仕掛け」(10.岸本)を狙っていたというが、11.ドゥダ、30.松宮など、仕掛ける選手は決まっている感じだったので、意外性に欠け、神戸としては守りやすかったかもしれない。第３節にして初めてベンチ入りした14.林、21.フランキも、決定的な仕事には絡めなかった。

　後半、立ち上がりからシュライカーは前からプレスをかけることでリズムを掴む。が、ゴールは遠い。

　そして残り６分というタイミングで、(お互いの予定調和のように、)シュライカー大阪のパワープレーが始まる。この日のゴレイロ役は10.岸本。９.奥田はケガを理由に後半は出場ナシ。これもアドリアーノにとっては大きな誤算・痛手だっただろう。

　パワープレーに関しては岸本が「普段は奥田か、自分が入って練習している」とのことだったので、大勢に影響はなかったハズ。しかしなかなか決定機をつくるところまでは行かなかった。
　シュライカーをさらに不運が襲う。39分、11.ドゥダがシミュレーションを取られ、２枚目のイエローで退場。あまりレフェリングについては書きたくはないが･･･、このとき(力加減まではわからないが･･･)ドゥダが明らかに引っ張られているのが見えた。この退場で、１点を追うシュライカーが残り１分56秒を、フィールド３人で戦わなければならなくり、２分近く残して、試合を終わらせてしまうジャッジとなってしまったのも非常に残念だった。
　大阪は10.岸本をゴレイロに居れ、４対４をつくる、ハイリスクな賭けに出たが、残り１分６秒、18.鈴木のパスミスをさらった、神戸７.原田が無人のゴールに決めて、４－２となり、勝負あった。

　不運な判定があったにせよ、序盤の３失点、パスミスからの４失点目があっては、大阪は"自分たち"に敗因があることを認めざるを得ないだろう。プランが崩れた後に「今日は勝つ方法を見出せなかった。敗因は自分にある」とはアドリアーノ監督。「メンバー選考も含め、もう一度見直す必要がある」と記者会見では終始、力なく、淡々と答えるに留まった。次節は湘南ベルマーレを迎え撃つ大阪。まだ勝ち星のない相手だが、今の状態では足元を救われかねない。ホームの開幕戦では選手の奮起に期待したい。

　一方の神戸。７.原田は「失点してから崩れることが多い。１点入れられたとしても、締めれるようにならないと」と、ホームでの快勝にも慢心することはない。それでも「１点差のままで後半耐えれたのが、去年からの成長だと思う」と味方を称えた。開幕から２試合ゴールがなかったが、ホームの開幕戦で２得点に関しては「ホームで点が取れたのは大きい。ホームは力の入り方がだいぶ違ってくる」と答えた。

　新加入ながら３試合ともベンチ入り。監督からも「使い続けることで、成長する」と期待を受ける14.西谷は「Fリーグの雰囲気には慣れてきたけれど、フットサルに関してはまだまだ」と戸惑いがあることを打ち明ける。「期待されているのはわかっているので、いいプレッシャーに変えたい」とし、「今はまだ(自分は)味方と戦っている。常に出場が決まっている人は、敵を見据えて戦っていると思うので、(自分も)早く常にメンバーに入れるようになりたい」と確固たるポジション取りに意欲満々だ。

　フリーキックを決めればFリーグ通算555ゴール目になることは、スタジアムDJのアナウンスを聞いて「知っていた」という16.須藤。フリーキック要員で出てきた20.田中からのボールを受けて、メモリアルゴールを決めたが、「トモ(20.田中)にわりぃな。折り返した方がいいのかと考えた」と、取材陣の笑いを誘った。

　神戸は次節がアウェーで大分。その次がホームで花巻。前期の下位チームとの対戦をしっかりモノにすれば、また今年も序盤で上位に浮上できそうだ。