クロタロ足踏み、近鉄２試合連続引き分け/関西リーグ２節

　クロタロ奈良と近鉄の第４試合は３－３の引き分け。近鉄は開幕から２試合連続の引き分け。
　クロタロ奈良は、フォルサに競り勝ったがまだまだ勝ち切るには至らない感じ。優勝候補の一角だが、このまま序盤戦にもたつくようなことがあれば、後々に大きく響きかねない。

　攻撃の際、相手陣内に深く押し込めるのは、どちらかというと近鉄。クロタロは後ろでのパス回しが多く、前に通るパスは少ない感じ。
　近鉄はこの試合から旭屋から移籍した稲田が出場。最初はまだ戸惑いがち、というかプレー、ポジション取りに遠慮も見られるのか、最前線には張り付かない。

　先制は14分にクロタロ奈良。ゴール正面で受けた６.中本が後ろにヒールで流すと見せて、大きく前に押し出し、シュート。アラで活躍する中本のピヴォのようなプレーからクロタロが均衡を破る。東海から関西に主戦場を移した中本は開幕から２試合連続のゴール。関西のトップチームに入っても輝きを放ち続ける。

　クロタロ奈良は18分、キックインからゴール前、キーパーがはじいたボールを16.長谷部が押し込んで２－０とリードを広げる。このまま２点のリードを保って前半を折り返せれば･･･というところだが、そうはいかないところにクロタロが他チームにつけこまれる余地があるように思う。

　同分、近鉄は20番をつけた稲田が十八番の反転で、完璧にかわしてシュート。１－２と１点差として、前半を折り返す。

　後半、先に点を奪ったのは近鉄。ファンタスティックゴールは23.塩谷。右サイド、アウトフロントで浮かせてディフェンダーを縦にかわすと、もう一度チョンと浮かせた次の瞬間に弾丸ボレーをゴールに突き刺した。塩谷の圧巻のゴールで近鉄が２－２、試合を振り出しに戻す。

　それでも近鉄に逆転までは許さないクロタロ。35分、19.村橋が、近鉄の後方での横パスをさらって、３－２となる勝ち越しゴール。点の取られ方のまずかった近鉄には重い一点になるかと思われたが･･･。35分にクロタロ、36分には近鉄、お互い５ファウルが溜まるやや荒れた展開。

　残り５分を切ってタイムアウトを取った近鉄は39分に同点弾。決めたのはまたしても20.稲田だった。移籍後、いきなりの２ゴール。それもチームを敗戦から救う"救世主"的な活躍を見せた稲田の活躍もあり、近鉄が３－３としたまま試合はタイムアップ。お互い優勝候補に上げられる２チームが勝点「１」を分け合うことになった。

　「まだまだチームと合っていない」とは貴重な同点ゴールの近鉄20.稲田。「最初にしては結果が出てよかった。ひとりひとりがうまいので連動できるようになれば得点は増えていくと思う」と自信をのぞかせた。それでも「クロタロの戦術に関しては練習から警戒、準備をしてきた」にも関わらず「裏を取られたり、リスタートの切り替えが遅かった」ことについては「戦術うんぬんではなく、気持ちとか、意識の問題」と引き締めた。
　「追いつくところはいいんですけど、勝ちきれない･･･」という守護神１.加藤。勝ち切るためにはさらに勝負へこだわる姿勢が求められそうだ。

　一方のクロタロは「逃げ切れないのがクロタロの現状」と８.大谷は不満足気。「２点は自分が変わった直後の失点」とし、「技術よりも前に、声かけなどで引き締めれる人が必要」と課題を上げた。

　開幕から２試合連続ゴールも「まだしっくりこない」とは、クロタロ６.中本。「課題はディフェンス」とし、関西リーグに対しては「楽に勝たせてもらえない」と感想を漏らした。