ジョイがトーイから今季初白星/関西リーグ２節

　初戦を昇格組のだいふごうに引き分けたジョイが２節でも昇格してきたトーイと対戦。
　常にリードを奪ったジョイが、トーイの反撃を許さず、５－３で勝利。トーイの２試合連続の『ミラクル』達成はならなかった。

　トーイはハーフまで引いてのいつものディフェンス。ハーフまで、というよりは守備の前列がハーフラインより後ろ、さらに入ってきた相手に対して下がるので、前のラインが下がり、守備は実にコンパクトな形となる。

　トーイは「意識しすぎた」と11.塩崎が漏らした、ジョイ11.馬場にやられてしまう。
　７分、13.中井のピヴォ当て。受けた11.馬場にトーイの意識が集中し過ぎたか？馬場がしっかりキープして、落としたボールを中井に決められ１－０。決めた中井は新人ながら、開幕から２試合続けてのゴール。前年度の滋賀県リーグの得点王らしい働きぶりで、前年度王者の中に入っても即戦力として活躍中だ。

　トーイは８分、フリーキックから11.塩崎が直接狙ったシュート。１.藤井徹に触れて(？)ゴール。一度は交代に出ていた塩崎だが、フリーキックにピンポイント投入。トーイの攻撃を一手に担う感じ。

　ジョイは９分、またも11.馬場へのピヴォ当てから、今度は７.猪田がキーパーの足元を抜くシュートで２－１と勝ち越すと、11分には左サイドから12.長束のシュート、はじいたボールを11.馬場が押し込んで３－１とリードを広げる。馬場はトーイに警戒される中でも、前半１得点２アシストの活躍。

　トーイは15分、兄弟でピヴォを務める藤井兄弟の弟、10.藤井猛がピヴォへの浮き球を受けて、ゴールへ猪突猛進。ディフェンダーとキーパーにぶつかりながらも、こぼれたボールを押し込んで、２－３。藤井兄弟は体格どおり"どっしりと"構えるピヴォ。スピードと運動量は多くはないが、キープ力と確実にシュートまで持っていく確かな技術があるので侮れない。

　前半は２－３、ジョイのリードで折り返す。

　後半26分、トーイの鮮やかな同点弾が決まる。右サイドから11.塩崎が中央10.藤井猛へパス。藤井がキープして、ヒールに流したボールを７.河内が走り込んでゴール。３－３、試合を再び振り出しに戻す。７.河内は主にディフェンスで活躍していた選手だが、ここぞというチャンスで前線まで飛び出してきてゴールに絡み、この試合では攻守で大事な仕事を成し遂げた。

　しかし33分、ジョイは12.長束が右サイドタッチライン際、角度も小さい(20℃ぐらい？)ところから難しいシュートをあっさり決めて、３－２と勝ち越し。
　これまでにも似たようなゴールを見せてきた長束。彼にとっては得意のコースなのかもしれない。チームが同点とし、均衡を保っていた(トーイの逆転のチャンス)時点での失点に、トーイゴレイロ26.南はピッチに寝転がって悔しがる。

　37分、タイムアウトを取ったトーイは１.藤井徹をゴレイロにしてパワープレーを開始。しかしこれが裏目。『パワープレーキラー』の異名をつけても良さそうなジョイにとっては"勝利が近づいた"感すらあったのではないか。
　39分、ゴレイロの１.藤井に11.馬場が素早くアプローチ。藤井はなんとかドリブルで馬場のプレスをかいくぐったものの、その後苦し紛れとなったボールを奪われたトーイは12.長束に無人のゴールに決められ５－３となり、勝負あった。

　「(去年の実績で言えば)下位のチームからの対戦となるが、初戦を引き分けてしまいましたし、今日も同等、もしくは相手の方が強いと思って試合に挑んだ」とは、ジョイのキャプテン11.馬場のコメント。「開幕しても、まだチームはできてなかった」とチームつくりの過程であることを示唆。初勝利後にも「本来のカバーリング、粘るディフェンスができなかった」とまずは修正点をあげた。
　大谷兄弟が抜けたことに関しては「大きな穴」としながらも「自分たちがやらなければという気持ちが強くなった」と話す。「ほとんどの時間出場してもらっていた。(大谷兄弟が抜けて)今日も交代がギリギリだったのが、終盤攻め込まれた一因」とした。

　勝ち越し、ダメ押しの貴重なゴールを上げた12.長束は練習中に負った顔のケガが「全然直ってない」と、大仕事の後にも関わらず、何もしていない選手のように、足早に去ろうとする。結果が出ていても自分の出来には満足のいかない(？)様子で、「まだまだです。出直してきます」とだけ言葉を残した。

　一方のトーイ。「前半いい形があったので、決めるところで決めていれば･･･」とは攻撃をつかさどる11.塩崎の言葉。「後半走り負けした」ことについては、「どこのチームも走ってるけど、ウチは走り込みやフィジカルをしてこなかった。意識が甘かった」と振り返る。
　ミラクルトーイと呼ばれるとおり、逆転勝利はお手のもの。リードされていても『また逆転できる』という自信はあるようだが、関西王者には通用しなかった。
　「後半、向こうがボールを回すようになると守備で精一杯になって、攻撃まで力が回らなかった」という塩崎のコメントや、トーイのパワープレーに対して追加点を奪いに行く姿勢から、ジョイのリードしてからの試合運び、勝ち方の巧みさを感じさせるゲームとなった。

トーイは攻守に活躍した７.河内のゴールなどで食い下がったが･･･。

ジョイ11.馬場はこの日も抜群の存在感でトーイの守備をかき回し続けた。

圧巻の勝ち越しゴールを叩き込んだ12.長束。値千金のゴールにも、いたって静かなリアクション。

トーイの攻撃をつかさどる11.塩崎。メンバーを鼓舞し続けたが、ジョイの牙城を崩せず。

レポート・写真：北谷仁治

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