フォルサに苦しみながらもクロタロ勝利/関西Lレポート５

　クロタロ奈良が得意とするフォルサと対戦。しかし前評判どおり、今年のフォルサは一味違った。

　クロタロ奈良にはジョイから８.大谷真一、フュンフからゴレイロ31.徳永と主力級の獲得に成功。しばらくフィクソ不足に泣かされただけに、昨年王者のジョイのフィクソ・大谷真一の加入は嬉しいところ。さらには東海リーグのメンバー・オブ・ザ・ギャングから、『東海随一のテクニシャン』と呼び声高い６.中本も入団。層は一気に厚くなった。メンバーが大幅に入れ替わった昨年は冗談交じり(？)に「残留が目標」と口にした長谷部キャプテンも、今年は「優勝が狙える」と意気込み十分だ。

　試合は３分、今季キャプテンマークをつけるクロタロ奈良７.森口のゴールが口火。右サイドを14.寺嶋がやぶって、折り返しを森口が合わせた。
　14.寺嶋は存在感十分。去年は目立った活躍が少なかったが能力を認めるメンバーも多い。新加入の大谷も「もともと(あれくらいは)できる選手。おそらく早いテンポのパス回しよりも、タメをつくってあげた方が活きる」と息も合うことをアピール。まだ「前でターゲットになる人が見当たらない」と悩む大谷の新コンビ候補だ。
　２セットを組むクロタロ。この日は純クロタロセットよりも、６.中本、７.森口、８.大谷、14.寺嶋のセットの方が得点の匂いがした。

　守ってカウンターという戦い方が今年も徹底されているフォルサは12分に、18.森口が１点を返す。ハーフラインを超えて、左後方５小仲からゴール横・森口につながった。サイドアタックとファー詰めがひとつの大きな狙いであるフォルサ得意のゴールといえそう。

　しかしそのわずか10秒後、クロタロ奈良はメンバー・オブ・ザ・ギャングから加入の６.中本がバーに当たったはね返りを押し込んで再び勝ち越し。追いついたフォルサにしてみれば、得点直後の失点は防ぎたかったところ。戦える戦力は整ってきただけに、あとは試合運びにまで細かくこだわっていきたい。
　クロタロ奈良６.中本はテクニックに注目していたが、オフザボールの動き、フリーランニングも抜群。逐一フェイクを入れながら動き直しの繰り返しはクロタロ奈良、関西リーグの中でも目立つ。相当フットサルをやりこんできたのではないか。

　負けていないフォルサは17分に２.田代が相手シュートのこぼれ球をカットして、持ち上がり、股下をトゥで射抜いて、２－２。同点として前半を折り返す。

　
　後半も先制はクロタロ奈良。26分、左サイドから、キーパーをよく見てフワリと浮かせた冷静なシュートを決めて、３－２。クロタロは31分にも、キャプテン７.森口の２点目のゴールで４－２、この試合始めて２点のリードを奪う。

　フォルサは37分に２.田代がこの日の２点目を奪い、３－４と詰め寄ったが、反撃はここまで。
　戦力充実のクロタロ奈良が、フォルサの抵抗に苦しみながらも初戦を飾った。

　クロタロ奈良の代表６.長谷部は「フォルサは強いと聞いていた。今日の内容は30点。ディフェンスがそのまま攻撃となるように、もっと前でボールを奪いたい」と今年の狙いを話す。それでも「勝てたので100点。どんどん仕上がってくると思います」と今後のパワーアップへの自信も見せた。