フュンフが首位に！旭屋フットサルも要注目/関西Lレポート３

　昨年度、終わってみれば３位のフュンフバインと、最終節で辛うじて降格を免れた旭屋の対戦。
　７－４の乱打戦をフュンフバインが制した。

　フュンフは３.阿部、23.吉川。旭屋は４.原、13.坂本、15.田中、そしてシュライカーの大阪の西選手の兄、14.西友樹が新加入。

　先制は７分にフュンフバイン。左サイドタッチライン際から13.鎌田、得意のアウトにかかるようなトゥキックシュート。
　しかし得点後もフュンフがペースを持っていくこともなく、試合はこう着状態。旭屋の押し込む時間帯も出てくると、16分、旭屋はフュンフバインDFのハンドで得たPKを、キャプテン10.宗佐が決め手、１－１。さらに立て続けに17分にも、ゴール正面から、５.渡辺が強烈なシュートをお見舞いして、２－１。旭屋が逆転で前半を折り返す。

　しかし後半の立ち上がり、21分、今度は旭屋がゴール前でハンド。これはペナルティエエイアのわずか外だったが、15.北村のジャンプした下を10.山地が射抜いて、２－２の同点。25分にも10.山地のミドルをゴール前、９.三浦がコースを変えてゴールに流し込み、フュンフバインが再逆転に成功。
　フュンフバインのエース10.山地は、自陣で不用意なボールキープなどもあったが、得点に絡む活躍でチームを引っ張った。

　チームに最後まで残った攻撃の主力・稲田が抜けた(近鉄に移籍)旭屋。関西リーグをまともに戦えるのか心配されたが、去年、厳しい降格争いを踏ん張った胆力と、これまでの旭屋の看板選手が『全ていなくなった』と言っても良い状態が、逆に新チームとして再スタートする覚悟を決めたようで、いい意味で期待を裏切ってくれた。
　キャプテン10.宗佐に限らず、５.渡辺、９.大谷、11.柴峠の表情・プレーには、心なしか、覚悟・自信すら感じた。

　隙あらば思い切った個人(ドリブル)勝負に持ち込んでくる旭屋に手を焼いたフュンフだったが、30分、２.坂根が左サイドからグラウンダーのシュートを決めて、４－２とリードを広げる。小柄で細かく動きなおしを入れるタイプの選手が多いフュンフの中で、プレーに重厚感のある坂根はミドルシュートも強烈。フュンフはこの日、５人の選手がゴールを決めており、今年もどこからでも点が取れるチームに仕上がっている。

　粘る旭屋は34分、10.宗佐の落としを、11.柴峠が決めて、３－４。しかし１分後にはこぼれ球を４.岩川がいちはやく拾ったフュンフが２.坂根につないで、５－３。

　旭屋も36分、中央から左に送ったボールを８.角谷が決めて、再び１点差に詰め寄ったが、粘りはここまで。フュンフは38分にゴール前のパスをつないで、最後は新加入の23.吉川がゴール。39分にも10.山地が２点目のゴールを決めて、７－４。

　開幕節、唯一３点差勝利のフュンフバインが、(初日を終えて)首位に立った。

　終わってみればフュンフの地力が際立ったが、期待値が薄かったせいもあってか(失礼！)、旭屋のフットサルには驚かされた。正直、負けはしたが、旭屋のフットサルに魅了されてしまった。
　去年と違って、守備にも攻撃にもとにかく、よく走る。懸命に走る姿は、降格がかかった終盤戦あたりから見られていたが、『まずは走り負けない』というクセがいい状態で保たれている。そしてもうひとつが思い切りの良さ。11.柴峠が、８.角谷が、９.大谷が、がんがんドリブルで仕掛ける姿勢を見せた。それぞれが異なる得意のフェイントを繰り出すのが、見ていて楽しい。パスがつながったかと思えば、サイドでキープした８.角谷が右に、左に、軸足の裏を流して、揺さぶりをかけてから次にはたいたりする。
　去年、大量に新人が入った旭屋は一気に若返りを余儀なくされたが、降格争いも終わってみればよい方向に転がり、厳しい試合を繰り返したという財産(経験値)になった。２、３年後、関西で天下を取るのはこのチームかもしれない。

　２、３年後と書いたのは、まだまだ守備に課題を残しているから。

　攻撃を得意とする選手が多く、極端に言えば前３人が攻撃、後ろの１人で守備といった感じで、守備を担当する２.戸西、10.宗佐あたりの負担が大きい。今年の関西リーグは大混戦になりそうだから、大阪府リーグあたりから強力なフィクソあたりを連れてこれば、今からでも面白い存在になると思うのだが･･･。

　一方のフュンフバイン10.山地は「バタバタするなど、初戦の感じが出てしまった」としながらも「不思議と負ける気はしなかった」とチームに自信を持つ。去年は３位とは言え、最終節でジャンプアップしての３位で、優勝争いからは早い段階で脱落した。「優勝を狙っていくべきチーム」と自称するフュンフバインが、好スタート。昨年は２節でジョイに出鼻をくじかれたが、今年は好調をできるだけ長くキープしたい。