四国リーグレポート４ブランコバレイア×エネミーハント

　４試合目は徳島県から昇格のエネミーハントと、南国高知 Branco Bareia セントラル(以下、ブランコバレイア)の対戦。

　ブランコバレイアは、サッカー四国リーグで活躍する南国高知FCが母体。トップのメンバーがサッカーの四国リーグを戦い、サテライトのメンバーがルをメインに活動(フットサル四国リーグにも参戦)する。
　ブランコバレイアは言うなれば２つの顔を持つチーム。その実力も大いに変化する。かつて、地域CLへの四国代表を決めるときに、ワンデイで大会が行われていたときは、(トップメンバーを揃える)ブランコバレイアの独壇場だった。また、去年のフットサル四国リーグでも、首位を走っていたジョゴが、サッカーリーグを終えてトップのメンバーが合流したブランコバレイアに敗れ、優勝を逃している。
　こういう話から想像するに、四国では『競技フットサル』のレベルがまだ、『競技サッカーの人たちがするフットサル』の域を超えていないと言えそう。"ブランコバレイアが四国リーグで何位に位置するか"は、四国のフットサルチームの成熟度を測る基準にもなりそう。

　試合は全般的にエネミーハントのほうがボールを支配するが、切り替えの遅さもあり、主導権は握れない感じ。ブランコバレイアも８分、７.吉永から、右サイドの16.山田にうまくつないでチャンスを得る、ゴールならず。直後、エネミーハントも２対１の場面から、12.村岡の送ったボールは20.三橋にわずかに合わない。

　エネミーハントはブランコバレイアの不用意なパスをカットすることで、さらにチャンスを掴みだす。13分、20.三橋がゴール前の13.多富に送って、多富がゴール。エネミーハントが先制点を奪う。

　しかしブランコバレイアも14分、ゴール前、７.吉永がグラウンダーのシュートを直接決めて、１－１の同点に。ここからお互いゴレイロからのロングボールが多くなる。残り33秒、隙を見ては狙っていたブランコバレイアゴレイロ21.大川のパントキックがバー直撃で、惜しい場面。しかし前半は１－１のまま、終了。

　後半も攻勢はエネミーハント。21分、20.三橋が右サイド突破。13.多富、20.三橋、ふたりのピヴォ(？)もキープ力があり、もらい方もうまく、チャンスを演出する。26分、ブランコバレイアの守備がぽっかり明いたところ、４.新井がミドルで決めて、２－１とエネミーハントが再び勝ち越し。28分にも19.小浜の浮き球を13.多富が反転ボレーで狙うなど、エネミーハントは好プレーが続く。

　ブランコバレイアは29分、右サイドから、12.前田の送ったボールを、左サイド16.山田がダイレクトで合わせて、２－２の同点弾。
　しかしここからブランコバレイアは前にボールが収まらなくなり、攻撃の手数もなく、足も止まってくる。
　対するエネミーハントは34分、20.三橋が反転シュート。これはブランコバレイアゴレイロ21.大川がセーブ。

　しかし決勝ゴールをこじ開けたのはブランコバレイア。
　35分、右サイドから左の７.吉永へ。吉永がもう一度右サイドに振ったボールを14.山下がフリーで受ける。山下がこれをきっちり決めて、３－２。ついにブランコバレイアが試合をひっくり返した。

　エネミーハントも必死に反撃に出るが、ブランコバレイアゴレイロ21.大川のファインセーブなどで、ゴールを阻まれる。試合は結局、ブランコバレイアが逃げ切って、逆転勝利をモノにした。

●南国高知 Branco Bareia セントラル・大塚正洋代表インタビュー

―１試合目を終えて？

「ウチはサッカーチームのサテライトメンバーなんですよ。去年からサテライト中心。サッカーのリーグ戦が終わればトップの選手も来ますけど。勝ちを意識するというより経験を積ませる。実践の中で、トレーニングしていることを試すというスタイルでやってます。(今日も)結果が出ると思ってなかった。５－０くらいでやられると思ってました。フットサルの試合が初めてのメンバーも２人いましたが、いい経験になりました」

―ブランコバレイアはサッカー主体のチーム？

「当初の入りがサッカーのトレーニングの一環として入った。中心になるのが南国高知FC。サッカーのレベルは高いので、(フットサルでも)勝てていた。それでは普及にならないですし、フットサルをやってるチームがどんどん伸びていく環境がふさわしいと思い、僕らもそういうチーム目指して、サテライトはフットサルをメインにしました」

―練習は(サッカーチームと)別メニューですか？

「サッカーが週２、３。フットサル１回。自由参加みたいな形にしています。シンキングスピード、スキルアップのために、トップのメンバーも(フットサルの練習に)参加するようにしてる。四国リーグにもフットサルだけやるチームがいくつもでてきた。今までには無かったこと。将来的にはウチももっと力を入れてやっていきたい」

「以前、ワンデイで四国代表を決めていたときは、地域CLにも、３、４年ずっと行ってた。けれどそこで壁にぶち当たる。カスカヴェにチンチンにやられて、あぁ(フットサルは)こんなんかぁと、カルチャーショックを受けました。けど、僕らはそれ以上のレベルアップはできない。その為にはトレーニングも変えていけないけれど、基本はサッカーチームなので。そこでまずは強化じゃなくて普及だな。競技人口増えることで社会認知もあがるだろう。そこで南国高知は『パイオニア的な存在になりたい』と思いました。他のチームには失礼かもしれないけれど、まずは強化でなく普及をして、社会認知をあげてから、『フットサル面白いやん』と競技志向を目指す若者をつくっていきたいなぁと。
　(バルドラール)浦安さんにも、他の県に比べてもありえないくらい協力をしていただいているので、メディアにもなるべく、高知県で『こういうクリニックやりました』『リーグがありました』と伝えてもらって。
　徳島では森さんが、四国を盛り上げようとやってくれてますし、香川もレベルアップしてきてます。(四国の)どこがというよりも、四国は一番レベルが低いので、お互い協力しながらやっていきたい。四国はどこへ行っても負けてしまってる。それは僕らの責任だとも思っています」

―今はブランコバレイアを四国リーグでトップにというよりは、まずは四国全体をを盛り上げたい？

「現実的にはそうです。サッカーしてる人間にも、『フットサルは適してるよ』というのを示したい」

●エネミーハント・７.岩田尚矢選手インタビュー

―四国リーグを戦ってみていかがですか？

「メンバーが揃っていなかった(主力が３、４人欠場)割には、がんばれたと思います」

―メンバー揃えば楽しみ？

「四国リーグでも楽しみ。もっとガンガンいきたい」

―練習はどれくらい？

「多いときで週２回です」

―徳島県リーグを優勝して昇格されました。今年の目標は？

「今はメンバー揃うきだけ強い感じ。選手の差があるので、競い合ってレベルアップしたい。でないと、四国リーグでは厳しいと思います。最初は徳島県リーグでも勝てるところが無かった。最下位争いをして、最下位から２番目くらいでした。それが年々順位上がっていって、一昨年くらいから優勝争いできるようになって、去年ようやく優勝できました」

―みなさん、サッカーもやりながらですか？

「三洋徳島のメンバーがふたりくらいいます」

―フットサルはどうやって研究していますか？

「東京都のZOTTのメンバーに知り合いが居て、その人に教えてもらったりしています」

―チーム力もあがってきて、今後はますます楽しみですね？

「理想には遠いですが、メンバーも揃えて、上位チームを叩きたいです」