壮行試合日本×ウクライナ戦前半戦レポート

０－３。日本がウクライナに完敗した。
サイドで強引に縦に突破するウクライナのドリブルについていけない。
これはフィジカルメインの合宿の疲労の蓄積が原因だろう。
そうエクスキューズしてくれないと逆に不安になってしまうような、簡単な崩れようだった。

日本も決定機を幾度となくつくった。

しかしパスがわずかにずれる、トラップに失敗してタイミングを失う、シュートがミートしない。
決定機の多さゆえに、フィニッシュと、その１つ前のプレーの精度の悪さが逆に浮き彫りとなった。

見事に決まるウクライナのカウンターとは、「フィニッシュまでの精度」、「決定力」の２つが対照的だったとも言ってしまえる。

惜しいシーンもあった。ポストにも嫌われた。観客が沸く場面もあった。
でもどれだけ内容が良くても、結果を出さなければ意味がない。という試合が10日後から始まっていく。

日本は、果たして、大丈夫なのだろうか･･･。

●前半日本０－２ウクライナ

日本の先発は、４小宮山、８藤井、17稲葉、20稲田の浦安セットにゴレイロ18定永。ケガの12川原は大事を取ってベンチ外。

日本ボールのキックオフ。立ち上がりから緩いバックパスを奪われて、危ないシーンを招いたが事なきを得る。
２分にはウクライナの８ミロシュニクがほぼゴール正面、フリーでシュートチャンスを得るが、日本は18定永がファインセーブ。
日本はハーフラインよりさらに５mほど下げたところが守備ライン。時折、キーパーから、後ろの選手から「GO！(取りに行け)」の言葉が出るも、ウクライナのキープのうまさもあり、なかなか飛び込めない。

ウクライナは先発の６ユナコフ、８ミロシュニク、11ザドロズニー、13ピリピフと、セカンドセットの２ロマノフ、５コワリョフ、７チェポルニュク、10コプテフ、２つのセットを４分間隔くらいで入れ替える。最年少・20才の９ジュルバは、後半、日本がパワープレーに入ってから(少しだけ)セカンドセットに入ったのみ。

６分に、５比嘉、６原田、11豊島、16岸本というセットに変えた日本はボールを支配するようになる。しかしボールの奪われ方が悪く、ディフェンスも軽いところがあり、チャンスもあるが、ピンチも招き、出入りが激しい感じ。これまでの日本代表のようなゲーム(特に守備)の安定感がなく、代表戦というよりは、Fリーグの試合を見ているよう。

日本は11分に、２鈴村、７金山、８藤井、９小野、３つめのセットへ。(木暮がいたら、おそらく藤井のところに木暮が入るのだろう)
この日の小野は持ち前の巧みなボールコントロールでボールをキープ。幾度となくチャンスをつくった。が、不用意なパスミスからウクライナーのカウンターを喰らうなど、危ない場面も誘発した。

ウクライナは再びセカンドセットが出てきた11分あたりからリズムをつかむ。12分にはフリーキックから、10コプテフが流したボールを７チェポルニュクのシュートはポスト。同分、カウンターから、２対１の状況をつくるが、ここは２鈴村が２人の間のパスコースに入って、ラストパスをコーナーに蹴りだす巧みなディフェンス。

しかしこのコーナーからウクライナが先制点を得る。５コワリョフが下げたボールを２ロマノフがズドン！
単純なプレーだったが、７金山のスライディングブロックより先に放ったロマノフのシュートがゴールに突き刺さった。

15分、日本は４小宮山がこぼれ球をシュートに行くがミートせず。17分には17稲葉が鋭いインターセプトからカウンターに入るが、戻ってきたパスをトラップミスしてしまい、シュートタイミングを失ってしまう。

球際に激しく行っていた日本は18分、５小宮山のファウルで５ファウル。(このときウクライナのファウル数はゼロ)

19分、ウクライナは、８ミロシュニクがゴール前に送ったボールを、６ユナコフがチップ気味に浮かせてシュート。これが決まって、２－０とリードを広げる。

日本は９小野が時折、１対１で勝負を仕掛けてウクライナディフェンダーを振り切るなどチャンスをつくるが、ゴールは遠い。
合宿で練習した攻撃のパターンを試すというテーマもあったのかもしれないが、後半20稲田も何度も反転シュートまで持っていったように、ウクライナの１対１は意外とルーズ。もっとゴリゴリと勝負を仕掛けてもよかったのではないか。９小野を筆頭に、20稲田、17稲葉、そして６原田など、日本にも"仕掛けられる"タレントは揃っているのだから。

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レポート：北谷仁治

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