関西リーグ11節フォルサ×神戸戦レポート

電光石火の攻撃だった。開始わずか９秒。フォルサが２位につけるAFC神戸から、先にゴールを奪う。

　「最後だよ、最後！」試合前のフォルサベンチからは、この試合がラストマッチとなる?井上キャプテンのためにも"勝利で飾ろう"という掛け声が飛ぶ。
　「同じ兵庫のチームとして負けたくない気持ちがあった」(フォルサ?井上)というよりも、やはりチームを率いてくれた"井上キャプテンのために"という気持ちの方がメンバーたちの心の中には強かっただろう。その気持ちはボールへの"出足"の速さとなって表れていた。試合開始から９秒後、こぼれ球を先に拾った?赤本のゴールが決まって１－０。

　気持ちの乗りと、出足のよさもあって、鋭いカウンターが次々に飛び出す絶好調・フォルサ！しかし神戸も負けてはいない。やられるだけではなく、ピンチを防いだ後は息もつかせず、クロスカウンターに移る。試合は目まぐるしく動き、"Fリーグのスピード"に慣れている記者もついていけない展開の速さ、面白さだった。
　
　フォルサは５分、右サイドから?小仲のシュートがディフェンダーに当たって、山なりのボールがゴールに収まる。２－０。
　１点目の?赤本といい、２点目の?小仲といい、来年も関西リーグで十分主力で戦えるメンバーが残った。来季は『鴨・山本』時代を超えるシーズンになるかもしれない―。

　チャンスはありながらもゴールが遠い神戸は７分、ゴレイロ?谷が前に出てきてシュートを打つなど、ジリジリとする展開。９分には?鷲尾が２本連続でシュートを放つが決まらない。しかし15分、右サイドをドリブルで駆け上がった?森のグラウンダーのシュートが決まって、１－２。神戸が１点を返して、前半を折り返す。

　しかし後半も先手を奪ったのはフォルサ。今度も開始からわずか18秒。?赤本が左から折り返したボールを?森川がゴール右に決めた。３－１。前半、後半ともに"目覚めの一発"で、この試合の主導権は完全にフォルサが握った。
　神戸は前からプレスをかけ、必死の反撃。しかしディフェンダーがコースに入っているにも関わらず、無理から(ドリブルからの流れのまま)ブロックに向かって蹴るシュートが増えてくる。

　13分、フォルサは右サイドから、?赤本が落として、?田代がファーサイドに振ったボールを?森川が押し込んで、４－１。地力のある神戸だけに３点差でも"まだまだわからない"と思われたが、守りには定評のあるフォルサの守備網を崩しきれない。

　16分、神戸は中央?宮田、右?能村、左ファーサイド?難波とつながって、鮮やかなゴールで、２－４。しかし神戸の反撃はここまで。最終戦を飾ったのは２位のAFC神戸ではなくフォルサ。フォルサの最終順位は５位となった。