最終点検ポイント

 日本代表のロシア戦が、12日(水)に代々木第一体育館で、15日(土)に神戸グリーンアリーナで行われる。

 サッカーの日本代表だったら国内で試合をすることは珍しくも何ともないが、フットサル日本代表の場合は極めてレアである。基本的には1年に1回なのでこれが最初で最後のチャンス。行こうかどうか迷っている人はぜひ足を運んでほしい。

 今回のロシア戦には「AFCフットサル選手権2010ウズベキスタン壮行試合」という冠がついている。この試合は日本代表にとって、5月23日に開幕するアジアナンバーワン決定戦への最終点検の場だ。そこで、今回のコラムではロシア戦で注目すべき“最終点検ポイント”に触れていきたい。

 最も気になるのは最初の2分間だ。先日のスペイン遠征では、クラブチームとの練習試合では、4試合中4試合で2分以内に失点している。アジア選手権のような真剣勝負だったら、この「立ち上がりの失点」が命取りになってもおかしくはない。

 では、具体的にどうやって防ぐのか。

 アグレッシブに前からプレスをかけに行くのがチームの基本コンセプトではあるが、「引く」という選択肢も視野に入れておくべきだと思う。最初の時間帯は自陣まで引いて、とにかく失点しないことを優先する。

 “2軍”で来ることが噂されているとはいえ、ロシアは日本よりもずっと格上のチームだ。まともにぶつかっていけば、スペインのときと同じように先制パンチを食らってしまう危険は十分にある。 

 強豪相手に立ち上がりに失点を食らうリスクを抑え、なおかつ自分たちの良さを出すには、ゲームのメリハリを自分たち自身でつけることが必要になるのではないか。

 二つ目の見どころが、ピヴォを使った攻撃が通用するのかという点。現時点で日本のピヴォは浦安の星翔太が一番手で、花巻の渡邉知晃が二番手になっている。2人は星が24、渡邉は23歳と若く、将来性は申し分ないのだが、経験不足は否めない。

 スペイン遠征では、星と渡邉が前線で簡単につぶされてしまい、2枚目、3枚目が絡んだ攻撃を仕掛けられる場面は皆無だった。ミゲル・ロドリゴ監督は就任以来「ピヴォを使った攻撃」をチームとしてトレーニングしてきているだけに、ここを封じられると非常に苦しくなる。

 星、渡邉がロシアを相手にしてどれだけボールをキープし、自分を経由した攻撃の形を作ることができるか。これが日本の攻撃の完成度を計る上でのものさしになるだろう。

 キーマンとなりそうなのが大阪の松宮充義だ。星、渡邉が「ミツくんからはパスが出て来るのでやりやすい」と口を揃えるように、松宮はピヴォを生かすのがうまい。松宮がピヴォの良さを引き出すことができれば、日本の攻撃はうまく回ってくるはず。

 立ち上がりのリスクマネージメントと、ピヴォを使った攻撃の完成度。ロシア戦を見に行く人は、このあたりに注目してみるとより面白いかもしれません。

プロフィール
北健一郎
1982年7月6日、北海道旭川市出身。稲葉洸太郎、高橋健介、フウガの中心メンバーたちと同じ“82年組”のライター。いつの日か彼らの仲間に入れてもらうこと夢見ている。
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