みんなの名古屋

 3年目のFリーグが先週末で閉幕し、フットサル界的には全日本モードに突入している。今回の全日本選手権には大きなトピックがある。それが、Fリーグ王者である名古屋オーシャンズが出ていないということ。

名古屋はイランで行われているAFCフットサルクラブ選手権に「日本代表」として出場しているのだ。そもそもは昨年7月に行われるはずだったが、開催地イラン・エステファンの情勢不安によって8カ月後でスライドになったという経緯がある。

クラブ単位でのアジア選手権は今回が初めて。「アジアナンバーワンクラブ」を決める第1回大会で、日本のチームがタイトルを取ったとなれば、これは大変な名誉だと言っていい。名古屋には優勝を目指してぜひとも頑張ってもらいたい。

名古屋はご存じの通り、日本唯一のプロフットサルチーム。実力面でも環境面でも他のチームの一歩も二歩も先を行った存在だ。それゆえに、名古屋にはどうしても「ヒール」とか「悪役」というイメージがつきまとうことになる。

例えば、Fリーグや全日本選手権で名古屋が試合をするときは、オーシャンアリーナ以外では名古屋の“完全敵地”の空気が作り上げられる。名古屋が2年連続で敗れた全日本決勝はその典型だろう。

代々木第一体育館のほとんどのファンが名古屋の相手の応援に回るのはプロチームといえども辛くないはずがない。バルドラール浦安との決勝戦後に森岡薫が「僕たちの完全なアウェイになってしまったのがすごく悔しい」と語っていたことが印象に残っている。

だが、今回のアジアクラブ選手権における名古屋は「日本代表」として出場している。今回ばかりは、名古屋にやられた辛〜い思い出を片隅に追いやって、アジアでタイトルを獲得するために背中を押して欲しいのだ。

名古屋が優勝すれば、Fリーグや日本フットサルのレベルの高さが証明されることになる。それが最大のライバル・イランのホームでとなればなおさらだろう。「名古屋がアジアナンバーワン」という結果が報道されれば、世間の目がフットサルに向くきっかけにもなる。

サッカーのAFCチャンピオンズリーグでも浦和レッズが2007年に勝ち上がったときに、浦和のサポーターのみならず、他のJクラブのサポーターまでもが浦和に声援を送った。Jクラブにとって大きな難関だったアジア王者の称号を手に入れている。

現地情報によれば、名古屋は予選リーグで2連勝して準決勝進出を決定的にしたとのこと。日本中のフットサルファンのみなさん。今回ばかりは「みんなの名古屋」という気持ちで応援しましょう。

プロフィール
北健一郎
1982年7月6日、北海道旭川市出身。稲葉洸太郎、高橋健介、フウガの中心メンバーたちと同じ“82年組”のライター。いつの日か彼らの仲間に入れてもらうこと夢見ている。
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