人が集まるクラブ

 1月30日、江戸川体育館で行われた東京都1部リーグの最終節を見に行ってきた。お目当てはデルソーレ中野。開幕から全勝で首位を突っ走り、前節で優勝を手中に収めていたチームは、最終戦でも、千住フットサルクラブに6−1で完勝して実力を見せつけた。

 デルソーレは東京都1部リーグの中では別格のチームである。メンバーには元大阪の西野宏太郎、竹井宏真、元花巻の松浦英と「元Fリーガー」が3人。3人はFリーグのクラブを退団後、ストレートでデルソーレに移籍してきた。東京都1部はFリーグから数えれば、関東1部、関東2部と3ランクも下のリーグである。どうして、そこにFリーガーが3人も集まってくるのか。

 それは「ビジョン」があったからだろう。デルソーレは中野区を拠点とした地域密着型のクラブを目指している。最近ではチーム名に地域名が入っているところは少なくないが、デルソーレ中野の「中野」はお飾りでついているわけではない。ほとんどの練習活動を中野の体育館で行っているし、クラブ単位でのフットサル教室も積極的に行っている。

 チームの目標は「楽しく 強く 魅力的なチーム 中野区に愛されるクラブを目指して」。ビジョンがあるチームには選手も集まるし、ファンも応援しやすい。最終節ではデルソーレ戦だけサポーターが大挙して訪れ、スタンドに横断幕が何枚も張られ、試合中は太鼓とコールの声が響き渡った。サポーター、選手の関係者、スクールの教え子など合わせれば20〜30人ぐらいのファンが集まっていた。

 最終節の試合後、主力選手の松浦英に話を聞いた。「試合内容には全然満足していません。見に来てくれる人が楽しんでもらえるように、攻撃的で面白い試合をしたい。今は東京都1部リーグですけど、こうやって応援してくれる人がいるのは本当にありがたい」。Fリーグの華やかな舞台は離れたが、新しいチャレンジに挑む松浦の目は輝いている。

 東京都1部で全勝優勝したチームは、2月20、21日に千葉県・千葉ポートアリーナで行われる関東2部リーグ参入戦に出場する。自分たちの実力を発揮して、関東2部へとステップアップできるか。デルソーレ中野の熱き戦いに注目したい。

DELSOLE中野(デルソーレ中野) オフィシャルサイト
http://www.delsole.jp/index.html

プロフィール
北健一郎
1982年7月6日、北海道旭川市出身。稲葉洸太郎、高橋健介、フウガの中心メンバーたちと同じ“82年組”のライター。いつの日か彼らの仲間に入れてもらうこと夢見ている。
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