ど〜する、セサル

 1月24日、セサル監督が講師を務めた、バルドラール浦安フットサルカンファレンスに行ってきた。「フットサルカンファレンス」とは浦安が毎年定期的に行っているフットサル講習会で、シト・リベラ前監督のときからやっている。僕は今回初めて行ったのには理由があった。

 前日のFリーグで浦安は名古屋に3−6で完敗。昨季までの“強かった浦安”を知っている人にとって、今の浦安の状況は確かに寂しいものがある。では、セサル監督が何をやろうとして、どうしてうまくいかないのか。今回の講習会でセサル監督の考え方を知れば、それがわかるかもしれないと思ったのだ。

 講習会の時間は1時間30分×2コマの3時間だった。本当だったら午前が「攻撃と守備の基本戦術」についての講義で、午後が屋外コートでの「フットサル指導実践」だったが、一つ目のテーマだった「守備」だけで3時間全部を使い果たしてしまった。

 このことがセサル監督のチーム作りを象徴しているように思う。セサル監督は一つ一つのことについてじっくりと教えてくれる。だが、要領は決して良くない。一つのステップを超えるのに時間がかかり過ぎてタイムオーバーになってしまう。それは今季の浦安のチーム作りとオーバーラップした。

 セサル監督がまず最初に取り組んだのは、この日の講義と同じように「守備」だったという。マンツーマンをベースにしながら、マークの受け渡しをするという高度な守備戦術を目指したが、修得するためには練習時間もかかるし、選手の理解力も求められる。

 そのため、「うまくいかなかったので試合中に完全マンツーマンに切り替えた」という話を試合後に何度もしている。今の浦安はセサル監督のチーム作りの最初の段階で足踏みしているような状態なのだろう。

 昨季までチームを率いていたシト・リベラ監督は良くも悪くも“適当”だった。何よりも優先するのはチームが勝つことで、そのための方法論としてやることは何でもやる。何でもない時間帯にパワープレーをやって体力を温存したり、ゴレイロからのロングボールを多用して相手のプレスを回避することも平気でやった。

 チームの関係者に話を聞くと、「シトよりもセサルのほうが全然真面目」だという。小宮山友祐も「監督は誰よりもチームのことを考えている」と話していた。真面目に仕事をしているのに時間が足りないので結果が出ない……。そんなサイクルにハマってしまっているように見える。

 セサル監督がやろうとしている方向性は決して間違っていない。だが、THEアマチュアチームの浦安の環境でやれることは限られている。結果を求めるのか、あくまでも理想を求めるのか。低迷する浦安を「セサル隊長」がどんな方向に導いていくのか注目したい。

プロフィール
北健一郎
1982年7月6日、北海道旭川市出身。稲葉洸太郎、高橋健介、フウガの中心メンバーたちと同じ“82年組”のライター。いつの日か彼らの仲間に入れてもらうこと夢見ている。
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