ファンのいないファン感謝祭

 Fリーグ、全日本選手権というビッグイベントが終わってフットサル界はオフシーズンに突入した。オフシーズンといえばファン感謝祭。ファン感謝祭といえば、1年間応援してくれたファンにチームが感謝の気持ちを表すもので、ファンありきのイベントだ。そんな中、Fリーグでもなく、関東リーグでもない、東京都1部リーグのチームがファン感謝祭を開催した。

 「クラブ・アトレティコ・エボルシオン」というチーム、みなさんはご存知でしょうか。通称“エボ”。2008年度、東京都1部リーグでは12チーム中8位。4月11日、ミズノフットサルプラザ味の素スタジアムで行われたこのチームのファン感謝祭に僕も参加してきた。
 
 正直に告白しておくと、僕が昨年東京都1部リーグに行ったのは1回しかない。だが、そのときもエボルシオンのゲームは見ていない、つまり、ファン感謝祭に行くというのに、そのチームの試合を1回も見たことがないのである。

 そんな僕がファン感謝祭に行くことにしたのは、クラブ代表に「来ない?」といってもらったから。このチームの代表の吉田和寛さんは、元々はスーパーリーグや関東リーグにいたチーム「ガロFC東京」のスタッフで、その頃からお世話になっている。吉田さんが2007年に立ち上げたのが“エボ”なのだ。

 ファン感謝祭のメインはお決まりのゲーム大会だった。選手と参加者がチームに分かれてボールを蹴ろうというものだが、いかんせんほとんどの選手の顔と名前がわからない! そんな無礼者は僕だけかと思っていたら普段はFリーグのチームのサポーターをしている人の顔もチラホラ。彼らに話を聞いても「1回だけ見に行った」とか「初めて」という声がほとんどだった。

 初めてのファン感謝祭ということで、選手も慣れていないため手探り。ゲーム大会がガチンコムードになりすぎちゃったり、エキシビションとして行われたベテランvs若手の試合は0−0のスコアレスドローだったり。それでも、選手たちの旺盛なサービス精神もあって2時間はあっという間に過ぎた。ゲーム大会終了後には全員に当たる抽選会もあって、僕はTシャツをゲット。

 そもそも、東京都1部のチームでファン感謝祭をするほどのファンがいるわけがない。だからといって、エボルシオンがファン感謝祭を開いたのは「自分たちにはたくさんファンがいる」と勘違いしていたから、ではない。今回のファン感謝祭の本当の目的は知ってもらうこと、ファンになってもらうことだった。

 シーズン中はFリーグや関東リーグがあるので、普通のフットサルファンが東京都1部リーグに行くことは難しい。そうなればチームのことを知ってもらう機会がなかなかない。そこで他のイベントと重ならないオフシーズンのイベントでクラブを知ってもらい、選手を知ってもらい、「じゃあ今度行ってみようかな」と思わせる。

 こういったイベントは選手にとっても刺激になるだろう。外部の人と接することによって選手に「見られている」という意識が生まれる。いい意味で“勘違い”をすることによって日々の練習や試合に取り組む姿勢が変わることも期待できる。

 エボルシオンは将来的にFリーグ参戦をチームの目標にしているという。まだまだ道のりは長そうだが、このままステップアップしていって、本当の意味でのファン感謝祭ができるようなクラブになってほしい。

 ちなみに、今回の“ファン感謝祭”の参加費は無料、タダ。タダでボールを蹴らしてもらって、Tシャツまでもらっちゃったんだから、ちゃんと試合を見に行きたいと思います!

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プロフィール
北健一郎
1982年7月6日、北海道旭川市出身。稲葉洸太郎、高橋健介、フウガの中心メンバーたちと同じ“82年組”のライター。いつの日か彼らの仲間に入れてもらうこと夢見ている。
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