第46回「セントラル開催」

「セントラル開催」…Fリーグに参加する全チームが、ひとつの会場に集まって、その節の全ゲームを集中開催すること。毎年数回、固定された会場と、全国各地の別々の会場で行われてきており、Fリーグでの華やかなイベントのひとつになっている。


3回戦制の1クール分開催から
各クールの頭だけの開催に

2007年のFリーグスタート時から、セントラル開催は行われてきた。今季で5シーズンを戦っているFリーグだが、毎シーズン開幕節は東京の代々木第一体育館のセントラル開催でスタートしている。

2007、2008シーズンは、参加8チームによる3回戦制。そこで、同一チームと3度戦ううちの1回分。合計7節分をセントラル開催で行った。残りの2回がホーム&アウェイという形だった。

2007シーズンは開幕節の代々木第一体育館に始まり、第12、13節を長野県のホワイトリングで、第14、15節を福岡県の北九州市立総合体育館で、第16節と最終21節をまた代々木体育館で行った。ホワイトリングと北九州市立総合体育館でのゲームは、土日の2日で1試合ずつ消化という強行軍だった。

同じく2008シーズンは開幕の第1節と、第8、9節を代々木第一体育館で、第12節を北海道の真駒内セキスイハイムアイスアリーナ、第14節を富山市総合体育館、第16、17節を広島グリーンアリーナで行った。第8、9節の代々木と、第16、17節の広島が連日開催だった。

2009シーズンからは参加10チームの3回戦制になり、1クール9節分をセントラルで消化する形には日程を組まなかった。セントラル開催は、3クールあるうちの各クールで1回。開幕節と第10節は代々木第一で行われ、第3クール途中の第20節を静岡県の浜松アリーナで行った。

2010シーズンも同様に、開幕節と第10節は代々木第一で行い、第3クールの頭第19節を愛知県のパークアリーナ小牧で行う形だった。

今季の2011シーズンは、第2クールの頭。第10節が大阪市中央体育館になり、第19節は12月10日(土)、11日(日)に千葉県の船橋アリーナで行われたばかりだ。

フットサル界の定番アリーナである代々木第一と、地方開催のセットで組まれているセントラル開催。ただ、2009シーズン以降の形は開催回数が少ないため、カードによっては3試合のうち2試合が片方のホームゲームになることがあるわけだ。そこでセントラル開催を増やそうという意見もあるらしい。つまり、不公平がなくなるように、3回戦制の1クール分9節をセントラルで消化しようということなのだろう。


地方のセントラル開催の
固定化を考える


僕自身何度も取材させてもらっているが、セントラル開催のいちばんいいところは、1度に全チームを見られることにある。毎度当たり前のように取材をして、「たくさん試合見て疲れたなあ」なんて思っているが、よくよく考えてみればこれ、他のスポーツではあまりないこと。

そのときどきのコンディションはあるものの、全チームを見てそれぞれの状態確認や、他チームとの比較ができる。最近はチームの色もそれぞれ違うし、戦術、セットプレーなどのバリエーションもいろいろなものが見られる。観戦者にとっては、かなりお得なフットサルイベントなのだ。

加えて、リーグ側もさまざまな工夫をこらし、試合前、試合の間、ハーフタイムとさまざまなイベントを行っている。1日会場に居て飽きない工夫がなされているし、会場はそれなりの熱気に包まれているなあと感じるものだ。

ただ、残念なことに入場者数は年々少なくなっている。これに頭を抱えている関係者が多い。イベントも面白くなってきているし、実際のゲームの質も高くなってきているのにだ。

今回の船橋アリーナはピッチと観客席の距離が近く、フットサルのスピード感や迫力をガツンと味わえる、かなり素晴らしい会場だった。でも観客数は1日目が1900人で、2日目が2600人程度。アリーナが住宅街の中を抜けた先にひっそりと構えていることもあり、何か知る人ぞ知る闇イベントみたいな様相を感じたものだ。

船橋セントラルのラストを飾る最終ゲームで決勝ゴールを挙げ、マン・オブ・マッチを獲得した府中の小野大輔が、ヒーローインタビューでこんなコメントをした。

「フットサルは実際に見に来たほうが、楽しいスポーツです。ぜひ友だちを連れて、見に来てください」

この「実際に見に来る」までの敷居が本当に高い。よく聞かれるのは、事前の宣伝不足。特に地方開催などは、事前告知がままならず、いろいろとうまくいかないことが多かった現象も見てきた。そして僕が感じるのは、他のイベントとの重なり。日程的な面など、事前にもっと何とかならないものか。

例えば地方のセントラル開催は、これまでフットサルの普及という大きな狙いがあった。だが、観客数につながるフットサルの普及とは、実は「見るフットサル」の普及だ。プレーするフットサルの普及と、見るフットサルの普及は、今やまったく別の次元なのである。プレーするフットサルは、Fリーグの存在如何にかかわらず、勝手に広がっているのが現状。Fリーグは見るフットサルの普及に絞って、もっと考えていくべきなのではないか。

「見るフットサル」の普及。手っ取り早いところで考えれば、これまでの地方開催である程度反応がよかったところで、何度もやるというのは、ひとつの手なのかもしれない。それに過去に集客で大失敗して、リベンジをしたい会場もあるのではないか。毎年1回、同じ時期に近所の体育館でフットサルのゲームがある。この手法ダメですかね?

Fリーグのリピーターを増やしていく狙い。そうした見てくれる人の根っこを強くするというのもひとつの考えだと思う。


プロフィール
菊地芳樹(きくち・よしき)
1971年7月22日生まれ、神奈川県出身。明治大学卒業後、学研に入社。サッカー雑誌、ゴルフ雑誌の編集記者を経てフリーに。現在は、サッカー雑誌「ストライカーDX」の編集スタッフとして働きつつ、他雑誌にもフットサルを中心に原稿を書いている。フットサルは90年代半ばより興味を持って取材し始め、これまで各媒体に原稿を書き、実用書も多く手がけてきた。フットサルの永続的な普及・発展に貢献したく、初心者からリピーター・マニアへの橋渡し役としての立ち位置を意識しています。
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