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関西フットサルリーグレポート

関西フットサルリーグ 2006 第７節「JOY FUTSAL CLUB/KIMURA SPORTS × MAG'S FUTSAL CLUB」　― 2006年９月23日(土)

　無敗で首位をひた走るマグと、２連勝で得失点差で高槻松原を上回り２位にまで上り詰めたジョイの首位攻防戦。
マグが勝てば、今年の関西リーグは「マグの優勝で決まり」というムードだったが、滋賀県から初の関西リーグ参入チーム、JOY FUTSAL CLUBが大仕事をやってのけた。

●"伝説の男"の復帰あいさつ

　先制したのはマグだった。この日から、マグには⑨安川知宏が戦列に加わる。元フットサル日本代表。ASPA、BORDON、藤井健太とのゴールデンコンビで、関西で黄金時代を築き上げたその人だ。しばらくは奈良県リーグのBOAでプレーをしていたが、待望の最前線(トップリーグ)復帰だ。久々の関西リーグでもブランクを感じさせない動きを見せていたさすがの安川は６分、右サイドからミドルシュートで先制点を奪う！

　しかしここからは「前から来るのはわかっていた。徹底して裏を狙った」というジョイの攻撃がはまる。マグの先制点からわずか12秒後、自陣から前線へのロングパスに⑪馬場がヘディング。弧を描いたボールは前に出ていた⑫戌谷の頭上を越え、ゴールに収まる。１－１、ジョイ同点。
手痛い先制点だったと思うが、気持ちをすぐに切り替えて前向きに点を奪いにいけるのはジョイの強みのひとつだ。

かつて藤井健太と黄金コンビを組んだ
安川知宏が関西リーグに復帰。

王者マグ相手にハットトリックの
ジョイ⑪馬場。体格を活かすピヴォ。

●ジョイ⑪馬場、王者マグからハットトリック！！

　マグがおかしい。12分、ジョイ⑫圷が前線からチェックに行くと、バックパス？のボールがディフェンダー、ゴレイロ⑫戌谷とも反応できず、ゴールに入る。公式記録では⑫圷の得点。チェックに行った際、足元から離れたボールをゴールに蹴り込んだか？２－１、ジョイが逆転。怪しい雲行きに場内が早くもざわめき立つ。

　13分、試合が激しく動く。

　まずはジョイ。右コーナーキックを大きく後ろに戻したボールを⑫圷がゴール左サイドの圷へ通すと、⑪馬場がヒールで流し込んで３－１。ジョイがマグを引き離す。

　マグも黙ってはいない。直後にゴールエリアやや右の位置から、⑭鈴木が逆サイドに振って、最後は⑤西村が押し込んで、２－３。再び反撃ムードになるかと思われたが、わずか10秒後、ジョイはまたも⑫圷が右サイド、コーナー付近まで進んでゴール前に折り返すと、ボールは逆サイドまでスルスル抜け、最後に待っていた⑪馬場の元へ。馬場がこれを決めて、前半だけでハットトリック達成。176cm、71kg。恵まれた体格を活かしたピヴォは、ここまで２得点と振るわなかったが、王者マグ戦で一気に化けた。

　マグもしぶとい。

　16分、ゴールやや右から、③原田が反転気味のシュートをお手本のように逆サイドに決め、３－４。17分には最前線でボールをカットする十八番から、⑭鈴木が狙い済まして逆サイドに決めて、４－４。どこかチグハグだったマグだが、王者らしく"帳尻"を合わせて、前半を終えた。

王者マグ相手にハットトリックの
ジョイ⑪馬場。体格を活かすピヴォ。

●それでも、ジョイ、ジョイ、ジョイ！

　前半のうちにマグに追いつかれながらも「焦りは無かった」というジョイはたくましい。後半「さらに前から来ると思った」というマグに対し、「さらに裏を狙うことを徹底」したというジョイが、マグを尻目に得点を重ねる。

　28分、「特に前半は調子が良くなかった」と話す⑩大谷純一がゴール正面から決めて、５－４。35分には、左サイドでパワープレーのボールをカットした⑬長束がゴール。６－４とリードを広げる。

　マグは⑩岸本をゴレイロに入れてパワープレーを始めるが、「パワープレーの練習は時間が無くて開幕前しかできてなかったけど、みんな忘れてなかった。パワープレーで点は取られてない」(ジョイ⑩大谷純一)と自信を見せるジョイはマグに点を許さず。残り34秒、逆にパワープレーのボールを奪ったジョイが、ハーフライン付近から、⑩大谷純一が無人のゴールに向けてドリブルで独走。７点目を奪い、勝負あり。

７－４。初参入のジョイが首位マグから大金星だ。

マグは⑩岸本がパワープレーを
開始するも実らず。

●マグ⑩岸本武志選手インタビュー
「守備に関しては後手後手になってしまった。前の寄せがゆるく、スピードも遅かった。後ろも人に付けずに、スペースを埋めに動くのが後手後手になってしまった。ジョイはピヴォ当なんかもうまいことしていた。攻撃に関してはスピードの変化がなかった。ランニングで相手を引っ張れてなかった。前にボールが入らなかった。相手に合わせて、試合の中で(狙いや攻め方を)チーム全体で共有する力が必要だと思う」

●ジョイ⑧大谷真一選手インタビュー
「やりました。裏を狙った作戦勝ちです。ボールはキープされたけど、勝負どころでは止めれた。４点は取られましたたけど。裏を狙えば、相手ボールになることも多いけど、一発がある」
―⑪馬場君が大活躍でした。「ああいうのができる選手。タイプがそのまま出た。期待していた選手でこれからも楽しみ」
―前半のうちに追いつかれてしまいました。「気持ち的に前に行き過ぎた。でも後半になって粘れたのが大きい。勝負どころでしっかりやれた。相手はよく動くけど自分たちはそんなに動かず、受け渡しもスムーズにうまくいった。ここ(マグ戦)が勝負だと思っていた。もうちょっとチャンスあったので、(もっと点が)取りたかった。大金星でしょ？これで自分たちも２位が狙えます」

●ジョイ⑩大谷純一選手インタビュー
「オレが調子が良くなかった分、普段活躍し切れてない選手が頑張ってくれた。特に前半をよく乗り切ってくれた」
―裏を狙った？「ビデオ見て、考えないと勝てないので、ゾーンの裏。フィクソの裏にどんどん出ること。(前からプレスを)かけてくるときはこうしようとチームで決めてた。後半、(思い通りマグが前から)来たのでやりやすかった。プラン通りの流れ。パワープレーに関しては時間がなくて開幕前しか練習できてなかったけど、みんな忘れてない。パワープレーでは点を取られてない。オレにしろタク(⑬長束選手)にしろ、前半だめやったのが後半点を取れた。チームとしてやれた部分が大きい」
―前半で追いつかれてしまいましたが？「引いて守るのか？カウンターを狙うのか？チームで統一できてなかった。取られるべくして取られた点。チームとして(気持ちが)前にいってた。
―焦りや嫌な雰囲気はなかった？？「もうけた点でリードしたので、変に追いつかれたという意識はなかった。ハーフタイムで分析できたし、同点で折り返せたことはよかったと思う。全国では前半でひっくり返されてしまうと思う」
―マグの連勝を止めました。「全勝されるのは情けない。僕らの応援だけでなく、他のチームも一緒になって応援してくれてたと思う」

●ジョイ⑪馬場知之選手インタビュー(ハットトリック達成！)
「いままで点取れなかった。やっとピヴォらしい仕事ができた」
―今まで２得点だったのに、マグ戦でハットトリックです。「入ってすぐに練習試合でボコボコにやられた。やり返してやろうと思ってました」
―ヘディングあり、ヒールあり、多彩なゴールでした。「マグレですけど、入ってよかった。マグの全勝は阻止したかった」